の曝露量の比較
1795例の外国人統合失調症患者の成績を対象として母集団薬物動態解析を実施し、構築されたモデルを用いて、リスペリドン持効性懸濁注射液を使用している患者に本剤を投与したときの血漿中有効成分濃度注)推移について検討した。
リスペリドン持効性懸濁注射液25又は50mgを反復投与している統合失調症患者に、最終投与の2週間後から、本剤をパリペリドンとして50又は100mg、4週間隔で反復投与したとき、血漿中有効成分濃度注)は同程度に維持されると推定された。
なお、リスペリドン持効性懸濁注射液から本剤に切り替えた場合の有効性及び安全性は確認されていない。
リスペリドン持効性懸濁注射液50mgを反復投与している統合失調症患者に、最終投与の2週間後から、本剤をパリペリドンとして100mg、4週間隔で反復投与したときの血漿中有効成分濃度注)推移の推定値
(線:中央値、網掛け:90%予測区間)
注)血漿中有効成分濃度は、リスペリドン持効性懸濁注射液投与時はリスペリドン及びパリペリドンの血漿中濃度の合算、本剤投与時は血漿中パリペリドン濃度である。
7. 母集団薬物動態解析結果に基づく、投与間隔が空いた場合の投与再開に関する探索的検討
1795例の外国人統合失調症患者の成績を対象として母集団薬物動態解析を実施し、構築された血漿中パリペリドン濃度推移に関するモデルを用いて、本剤の投与間隔が空いた場合の投与再開について探索的な検討を行った。
なお、以下に記載された投与方法で本剤を投与した場合の有効性及び安全性は確認されていない。
(1) 初回投与後、2回目投与までの投与間隔が空いた場合の投与再開についてのシミュレーション
本剤をパリペリドンとして初回150mg投与後、その1週後に2回目100mgの投与ができず、投与間隔が空いた後に投与したときの血漿中パリペリドン濃度をシミュレーションした。
1)
初回投与後、4週未満(本シミュレーションでは3週)に2回目パリペリドンとして100mgを投与し、5週に3回目75mgを投与したとき、2回目の投与時期に関係なく、4回目投与までに75mg反復投与時の定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。
本剤をパリペリドンとして150mgを初回/Day1に三角筋内投与し、初回投与後3週に2回目100mg、5週に3回目75mgを投与し、その後4週間隔で75mgを投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度
(線:中央値、網掛け:90%予測区間、破線:75mgを反復筋肉内投与したときの定常状態におけるCmaxの90%予測区間の上限及び定常状態におけるCminの90%予測区間の下限)
2)
初回投与後、4~7週(本シミュレーションでは5週)に2回目パリペリドンとして100mgを、その1週後に3回目100mgを投与したとき、4回目投与までに75mg反復投与時の定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。
本剤をパリペリドンとして150mgを初回/Day1に三角筋内投与し、初回投与後5週に2回目100mg、その1週後に100mgを投与し、その後4週間隔で75mgを投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度
(線:中央値、網掛け:90%予測区間、破線:75mgを反復筋肉内投与したときの定常状態におけるCmaxの90%予測区間の上限及び定常状態におけるCminの90%予測区間の下限)
3)
本剤をパリペリドンとして初回150mg投与後、7週時の推定血漿中パリペリドン濃度の中央値は7.5ng/mL未満であった。また、初回投与後、7週を超えて(本シミュレーションでは7週)2回目パリペリドンとして150mgを投与し、その1週後に3回目100mgを投与したとき、4回目投与までに75mg反復投与時の定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。
本剤をパリペリドンとして150mgを初回/Day1に三角筋内投与し、初回投与後7週に2回目150mg、その1週後に100mgを投与し、その後4週間隔で75mgを投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度
(線:中央値、網掛け:90%予測区間、破線:75mgを反復筋肉内投与したときの定常状態におけるCmaxの90%予測区間の上限及び定常状態におけるCminの90%予測区間の下限)
(2) 定常状態到達後に投与間隔が空いた場合の投与再開についてのシミュレーション
本剤を反復投与し血漿中パリペリドン濃度が定常状態に達しているときに、投与間隔が空いた後に投与した場合の血漿中パリペリドン濃度をシミュレーションした。
1)
定常状態到達後に投与間隔が4週を超えて6週以下空いた後(本シミュレーションでは6週)に、4週間隔で投与したとき、血漿中パリペリドン濃度は、数週の間、若干低値に推移した後、定常状態と同程度に到達すると推定された。
本剤をパリペリドンとして75mg反復投与時の定常状態において、0週に投与した後、投与間隔が6週空いた場合に、同用量75mgを投与し、以降4週間隔で反復投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度
(線:中央値、網掛け:90%予測区間)
2)
定常状態到達後に投与間隔が6週を超えて6ヵ月以下空いた後(本シミュレーションでは7週)に同用量(ただし、150mgの場合は100mg)を1週間隔で2回投与したとき、4週後の次回投与までに定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。
本剤をパリペリドンとして75mg反復投与時の定常状態において、0週に投与した後、投与間隔が7週空いた場合に、同用量75mgを投与し、その1週後(8週)に同用量75mgを投与、以降4週間隔で反復投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度
(線:中央値、網掛け:90%予測区間)
本剤をパリペリドンとして150mg反復投与時の定常状態において、0週に投与した後、投与間隔が7週空いた場合に、パリペリドンとして100mgを投与し、その1週後(8週)に100mgを投与、以降4週間隔で150mgを反復投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度
(線:中央値、網掛け:90%予測区間)
表1 統合失調症患者の臀部筋内に単回投与したときの血漿中パリペリドンの薬物動態パラメータ(平均値±S.D.)
投与量 Cmax
(ng/mL) tmaxa)
(day) AUC∞
(ng・h/mL) t1/2
(day)
25mg
(n=8) 3.68±2.26 16.0
(4.0-25.0) 5713±2829 47.2±46.8
50mg
(n=8) 7.94±6.64 11.0