シウムの静脈内投与等の処置を行う。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
男性患者に対する使用経験は少ない。(「臨床成績」の項参照)
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与
閉経後女性各6例にミノドロン酸水和物42mg又は56mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータ及び投与後48時間までの尿中未変化体排泄率は下記のとおりである1)。(「薬物動態の表」表1参照)
(2) 反復投与
閉経後女性各12例にミノドロン酸水和物42mg又は56mgを食前30分に4週ごとに3回反復投与したとき、反復投与後のCmax及びAUCは投与初日と比較してミノドロン酸水和物42mgで0.990倍及び0.998倍、ミノドロン酸水和物56mgで0.962倍及び0.863倍であった1)。
(注)本剤の承認された用量は「50mgを4週に1回、経口投与する。」である。
(3) 食事の影響
閉経後女性24例にミノドロン酸水和物50mgを単回経口投与したとき、食前30分投与では空腹時投与に比しCmaxは約0.6倍、AUCは約0.4倍に低下した2)。(「薬物動態の表」表2参照)
2. 代謝
ミノドロン酸水和物をヒト肝及び小腸ミクロソーム中でインキュベートした際、代謝物の生成は認められなかった(in vitro)3)。
また、CYP発現系において、ヒトのチトクロームP450の分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)に対してほとんど阻害活性を示さなかった(in vitro)4)。
3. 排泄
閉経後女性各6例にミノドロン酸水和物42mg又は56mgを空腹時に単回経口投与したときの投与後48時間までの尿中未変化体排泄率はそれぞれ0.25%又は0.27%であった1)。
(注)本剤の承認された用量は「50mgを4週に1回、経口投与する。」である。
4. 蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は、14C-ミノドロン酸水和物添加濃度5~500ng/mLにおいて61.2~61.9%であり、この濃度範囲においてほぼ一定であった(in vitro、超遠心法)3)。
薬物動態の表
表1
投与量 Tmax
(h) Cmax
(ng/mL) AUC0-∞
(ng・h/mL) t1/2
(h) 尿中
排泄率(%)
42mg 1.0±0.5 10.9901±2.8488 52.87±17.51 41.1±38.0 0.25±0.09
56mg 0.9±0.6 15.4114±4.9493 69.33±21.12 34.3±8.7 0.27±0.17
(平均値±標準偏差)
(注)本剤の承認された用量は「50mgを4週に1回、経口投与する。」である。
表2
投与条件 Tmax
(h) Cmax
(ng/mL) AUC0-∞
(ng・h/mL) t1/2
(h)
空腹時 1.1±0.6 16.759±7.185 77.88±35.52 31.9±8.6
食前30分 0.7±0.3 11.935±8.363 38.68±27.90 35.0±13.6
(平均値±標準偏差)
臨床成績
1. 骨密度試験
退行期骨粗鬆症患者を対象とした52週間の第II/III相試験※1)の結果、腰椎平均骨密度の投与開始前から最終評価時※2)の変化率±標準偏差はミノドロン酸水和物4週に1回50mg投与群6.461±3.6467%、ミノドロン酸水和物1日1回1mg投与群6.730±3.9890%であった。Dunnett型で調整を行った4週に1回50mg投与群と1日1回1mg投与群の最終評価時※2)の腰椎平均骨密度の変化率の差(差の95%信頼区間)は-0.269(-1.1093~0.5706)であり、4週に1回50mg投与は1日1回1mg投与に劣らないことが検証された5)。
また、骨代謝マーカー(尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド:尿中NTX、血清中骨型アルカリホスファターゼ)は、ミノドロン酸水和物4週に1回50mg投与群及びミノドロン酸水和物1日1回1mg投与群でともに低下し、ほぼ同様に推移することが確認された5)。(「臨床成績の表」表3参照)
※1)基礎治療薬として1日1回夕食後にカルシウムとして610mg及びビタミンD3として400IUを経口投与
※2)投与52週後又は投与中止時の時点
2. 骨折試験
退行期骨粗鬆症患者を対象とした2年間の第III相二重盲検試験※3)(骨折試験)において、ミノドロン酸水和物1日1回1mg投与群(1mg製剤群)及びプラセボ群の椎体骨折発生率(累積)はそれぞれ10.4%、24.0%であり(相対リスク減少率59%)、プラセボに対して有意な骨折防止効果が確認された(Log-rank検定:p<0.0001)6)。(「臨床成績の表」表4参照)
また、2年間投与による1mg製剤群(83例)の腰椎平均骨密度の変化率±標準偏差は8.267±5.3360%(最終評価時※4))で、プラセボに対して有意に大きかった(t検定:p<0.0001)6)。
更に1年間延長して実施された継続試験において、3年間投与による1mg製剤群(194例)の椎体骨折発生率(累積)は、12.4%であった。3年間投与時の1年毎の椎体骨折発生率(累積)は1年目6.7%、2年目3.6%、3年目3.2%であった。3年間投与による1mg製剤群(56例)の腰椎平均骨密度の変化率±標準偏差は10.271±5.9692%(最終評価時※5))であった7)。
※3)基礎治療薬として1日1回夕食後にカルシウムとして600mg及びビタミンD3として200IUを経口投与
※4)投与104