では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。
6.
ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数カ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
水以外の飲料、食物
特に牛乳や乳製品のような高カルシウム含有飲食物
多価陽イオン(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等)含有製剤
ミネラル入りビタミン剤、制酸剤等
臨床症状・措置方法
同時に服用すると本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるので、本剤の服用後少なくとも30分は上記の飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者を指導すること。
機序・危険因子
本剤は多価陽イオンと錯体を形成することがあるので、併用すると本剤の吸収を低下させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までの臨床試験における228例中30例(13.2%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは胃・腹部不快感5例(2.2%)、腹痛3例(1.3%)、胃炎3例(1.3%)及びアルカリホスファターゼ減少3例(1.3%)等であった。(承認時:2011年7月)
重大な副作用
1. 上部消化管障害
十二指腸潰瘍(0.4%)、胃潰瘍(頻度不明注))等の上部消化管障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
2. 顎骨壊死・顎骨骨髄炎
顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明注))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. **外耳道骨壊死
外耳道骨壊死(頻度不明注))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
4. 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折(頻度不明注))を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5. 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明注))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
低カルシウム血症
他のビスホスホネート系薬剤において痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用の注意
注) 1mg製剤の承認時までの臨床試験成績又は自発報告に基づく記載のため頻度不明とした。
その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
過敏症
頻度不明注)
発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎
消化器
1~5%未満
胃・腹部不快感、腹痛、胃炎
消化器
1%未満
逆流性食道炎、悪心
消化器
頻度不明注)
嘔吐、下痢、便秘、腹部膨満、消化不良、食欲不振、口内炎、口唇炎、口渇、歯肉痛、口の錯感覚
血液
頻度不明注)
白血球減少、赤血球減少、血小板減少、単球増加
肝臓
頻度不明注)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、アルカリホスファターゼ上昇、LDH上昇
腎臓
頻度不明注)
BUN上昇、尿酸上昇、クレアチニン上昇
筋・骨格系
1~5%未満
アルカリホスファターゼ減少
筋・骨格系
頻度不明注)
血中カルシウム減少、CK(CPK)上昇、筋・骨格痛(関節痛、背部痛、筋肉痛、四肢痛、疼痛、骨痛等)
精神神経系
頻度不明注)
しびれ、坐骨神経痛、めまい、頭痛
その他
頻度不明注)
胸痛、コレステロール増加、脱毛、膀胱炎、副鼻腔炎、倦怠感、血圧上昇、血中リン上昇、血中リン減少、顔面浮腫、発熱
その他の副作用の注意
注) 1mg製剤の承認時までの臨床試験成績又は自発報告に基づく記載のため頻度不明とした。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦等:
(1)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡並びに出生率の低下等がみられている。]
(2)
ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある婦人へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。]
2. 授乳婦:
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を中止させること。[母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
過量投与
症状:
低カルシウム血症、上部消化管障害(胃不調、胸やけ、食道炎、胃炎、又は胃潰瘍等)が発現する可能性がある。
処置:
吸収を抑えるために、多価陽イオンを含有する制酸剤あるいは牛乳を投与する。また、未吸収薬剤を除去するために胃洗浄を考慮する。なお、低カルシウム血症には必要に応じて、カル