0mg投与群:6.461±3.6467%(201例※3))
1日1回1mg投与群:6.730±3.9890%(204例※4))
※1)基礎治療薬として1日1回夕食後にカルシウムとして610mg及びビタミンD3として400IUを経口投与
※2)投与52週後又は投与中止時の時点
※3)このうち男性患者は3例であった
※4)このうち男性患者は2例であった
2. 骨折試験
退行期骨粗鬆症患者を対象とした2年間の第III相二重盲検試験※5)(骨折試験)において、ミノドロン酸水和物1日1回1mg投与群(1mg製剤群)及びプラセボ群の椎体骨折発生率(累積)はそれぞれ10.4%、24.0%であり(相対リスク減少率59%)、プラセボに対して有意な骨折防止効果が確認された(Log-rank検定:p<0.0001)。6)
椎体骨折発生率(累積)※6)
1mg製剤群(n=339):10.4%
プラセボ群(n=328):24.0%
新規椎体骨折発生率(累積)※7)
1mg製剤群(n=339):7.8%
プラセボ群(n=328):18.5%
投与24週後以降の椎体骨折発生率(累積)※6)
1mg製剤群(n=339):4.7%
プラセボ群(n=328):16.6%
※5)基礎治療薬として1日1回夕食後にカルシウムとして600mg及びビタミンD3として200IUを経口投与
※6)新規骨折+既存椎体骨折の増悪
※7)新規骨折のみ
また、2年間投与による1mg製剤群(83例)の腰椎平均骨密度の変化率±標準偏差は8.267±5.3360%(最終評価時※8))で、プラセボに対して有意に大きかった(t検定:p<0.0001)。6)
更に1年間延長して実施された継続試験において、3年間投与による1mg製剤群(194例)の椎体骨折発生率(累積)は、12.4%であった。3年間投与時の1年毎の椎体骨折発生率(累積)は1年目6.7%、2年目3.6%、3年目3.2%であった。3年間投与による1mg製剤群(56例)の腰椎平均骨密度の変化率±標準偏差は10.271±5.9692%(最終評価時※9))であった。7)
※8)投与104週後又は投与中止時の時点
※9)投与156週後又は投与中止時の時点
薬効薬理
1. 作用機序
以下の結果より、ミノドロン酸水和物は破骨細胞内でファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し、破骨細胞の骨吸収機能を抑制することにより、骨代謝回転を低下させると考えられる。
(1)
ラットに投与すると破骨細胞に取り込まれる。8)
(2)
in vitroにおいて、ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害する。8)
(3)
ウサギ破骨細胞培養系において、破骨細胞数を減少させる。9)
2. 薬理作用
(1) 骨吸収抑制作用
ウサギ破骨細胞培養系において、骨からのI型コラーゲン架橋C-テロペプチド遊離を抑制する(in vitro)。10)
(2) 骨粗鬆症モデル動物における作用
1)
ラット卵巣摘出モデルにおいて、尿中デオキシピリジノリン濃度の上昇を抑制し、骨密度及び骨強度の低下を抑制する。11,12)
2)
カニクイザル卵巣摘出モデルにおいて、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド及びデオキシピリジノリン濃度の上昇を抑制する。また、骨密度及び骨強度の低下を抑制し、骨密度と骨強度には正の相関関係が認められる。13)
3)
ラットステロイド誘発モデルにおいて、尿中デオキシピリジノリン濃度の上昇を抑制し、骨密度及び骨強度の低下を抑制する。14)
4)
ラット不動化モデルにおいて、骨密度の低下を抑制する。14)
(3) 骨石灰化に及ぼす影響
正常ラットにおいて、骨量を増加させる用量の100倍量まで、石灰化障害は認められていない。15)
また、ラット及びカニクイザル卵巣摘出モデルにおいて、類骨幅の増大は認められていない。11,12,13)
(4) 骨折治癒に及ぼす影響
ラット腓骨骨折モデルにおいて、仮骨の吸収を遅延させたが、骨強度の低下は認められていない。15)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ミノドロン酸水和物(Minodronic Acid Hydrate)
化学名
[1-Hydroxy-2-(imidazo[1,2-a]pyridin-3-yl)-ethylidene]bisphosphonic acid monohydrate
構造式
分子式
C9H12N2O7P2・H2O
分子量
340.16
性状
本品は白色~微帯赤白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点
約250℃(分解)
包装
リカルボン錠50mg:患者さん用パッケージ付きPTP 1錠、5錠(1錠×5)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
小野薬品工業:第I相単回・反復投与試験(社内資料)
2)
小野薬品工業:50mg製剤臨床薬理試験(社内資料)
3)
碓井孝志ほか:薬理と臨床,18(Suppl.1):S215,2008
4)
碓井孝志ほか:薬理と臨床,18(Suppl.1):S151,2008
5)
小野薬品工業:50mg製剤第II/III相二重盲検骨密度試験(社内資料)
6)
小野薬品工業:1mg製剤第III相二重盲検骨折試験(社内資料)
7)
小野薬品工業:1mg製剤第III相骨折継続投与試験(社内資料)
8)
野崎一敏ほか:薬理と臨床,18(Suppl.1):S7,2008
9)
森 裕史ほか:破骨細胞数減少作用(社内資料)
10)
森 裕史ほか:薬理と臨床,18(Suppl.1):S19,2008
11)
Tanaka M.et al.:Bone,43:894,2008
12)
小野薬品工業:ラット卵巣摘出骨粗鬆症モデルにおける作用(社内資料)
13)
Mori H.et al.:Bone,43:840,2008
14)
森 裕史ほか:薬理と臨床,18(Suppl.1):S75,2008
15)
野崎一敏ほか:薬理と臨床,18(Suppl.1):S65,2008
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
小野薬品工業株式会社 くすり相談室
〒541-8564 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号