児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。 (使用経験がない。)
臨床検査結果に及ぼす影響
1.
テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.
直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
適用上の注意
筋肉内投与時(静脈内注射が困難な場合にのみ使用すること):
筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
(1)
筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、小児には注意すること。
(2)
神経走行部位を避けること。
(3)
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(4)
筋注用に溶解した溶液は静脈内への注射は絶対に避けること。
(5)
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
薬物動態
本剤での臨床試験は実施していないが、本剤を溶解したものはセファメジン注射用、筋注用と同一のものであるので、セファメジン注射用、筋注用の成績を以下に示す。
1. 血清中濃度
(1) 成人
健康成人に0.5gを筋注すると血清中濃度は1時間後にピーク値38.0μg/mLに達し、その半減期は2.3時間であった2)。
(2)
腎機能障害のある患者(外国人)では、腎障害の程度に応じて血清中濃度半減期が延長し、血清中濃度は持続した3)。(「薬物動態の表」表1参照)
2. 組織内移行
患者喀痰中4)、胸水中5)、胆汁中6)等への体液中移行、扁桃組織7)、胆嚢組織6)、子宮組織8)、骨組織9)等への組織内移行は良好である。
3. 代謝
尿中には抗菌代謝物質は認められていない10)。
4. 乳汁中移行
授乳婦20例に2g静注したときの母乳中濃度は静注後2時間目1.3±0.9μg/mL、3時間目1.5±0.2μg/mL、4時間目1.2±1.0μg/mLであった11)。
5. 排泄
主として腎臓より排泄され、健康成人に筋注したときの尿中排泄率は88.9%(0.5g:6時間まで)2)と良好である。
薬物動態の表
表1 1g筋注時の血清中濃度及び半減期(外国人)
Ccr
(mL/min) 例数 血清中濃度
(μg/mL):
30min 血清中濃度
(μg/mL):
1hr 血清中濃度
(μg/mL):
2hr 血清中濃度
(μg/mL):
4hr 血清中濃度
(μg/mL):
6hr 血清中濃度
(μg/mL):
8hr 血清中濃度
(μg/mL):
24hr t1/2
(hr)
20~80 10 65.4 69.4 64.8 49.7 36.5 20.2 6.6 5hr
10~20 9 59.7 73.8 80 77.5 70.5 48.4 29.4 16hr49
2~9 5 56.9 71.1 73.2 75 70.4 62.4 44.2 26hr33
臨床成績
本剤での臨床試験は実施していないが、本剤を溶解したものはセファメジン注射用、筋注用と同一のものであるので、セファメジン注射用、筋注用の成績を以下に示す。
比較試験(呼吸器感染症12)、尿路感染症13))及び一般臨床試験14)(静注、点滴静注、筋注を含む)における疾患別有効率は以下のとおりである。(「臨床成績の表」表2参照)
臨床成績の表
表2
疾患名 有効例/症例数 有効率(%)
敗血症 6/9 66.7
感染性心内膜炎 3/5 60.0
皮膚感染症:表在性皮膚感染症(毛嚢炎) 2/5 40.0
皮膚感染症:深在性皮膚感染症(ひょう疽、せつ、カルブンケル、丹毒、フレグモーネ等) 64/78 82.1
皮膚感染症:リンパ管・リンパ節炎 15/22 68.2
皮膚感染症:慢性膿皮症(粉瘤、膿瘍) 13/19 68.4
外科・整形外科領域感染症:外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 26/33 78.8
外科・整形外科領域感染症:びらん・潰瘍の二次感染(潰瘍、褥瘡) 2/3 -
外科・整形外科領域感染症:乳腺炎 9/11 81.8
外科・整形外科領域感染症:骨髄炎 6/6 100
外科・整形外科領域感染症:関節炎 3/3 -
呼吸器感染症:咽頭・喉頭炎 8/11 72.7
呼吸器感染症:扁桃炎 46/48 95.8
呼吸器感染症:急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染(慢性気管支炎、気管支拡張症、慢性呼吸器疾患の二次感染) 73/89 82.0
呼吸器感染症:肺炎 163/194 84.0
呼吸器感染症:肺膿瘍 14/22 63.6
呼吸器感染症:膿胸 9/13 69.2
腎盂腎炎 105/149 70.5
腹膜炎(腹膜炎、骨盤腹膜炎) 35/43 81.4
胆嚢炎、胆管炎 48/55 87.3
婦人科感染症:バルトリン腺炎 2/2 -
婦人科感染症:子宮内感染(子宮内感染、子宮頸管炎、子宮内膜炎) 29/3