39;水疱性類天疱瘡)
用法及び用量
通常、1日1~数回、適量を患部に塗布する。
使用上の注意
重要な基本的注意
1.
皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
2.
大量又は長期にわたる広範囲の使用[とくに密封法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
3.
本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
4.
症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
アンテベート軟膏、アンテベートクリームの承認時までの調査における 安全性評価対象1,326例中45例(3.39%)[軟膏:662例中20例(3.02%)、クリーム:664例中25例(3.77%)]に副作用が発現した。
主な症状は、毛のう炎・せつ16件(1.21%)[軟膏0.91%、クリーム1.51%]、ざ瘡様発疹7件(0.53%)[軟膏0.60%、クリーム0.45%]、皮膚萎縮5件(0.38%)[軟膏0.30%、クリーム0.45%]、毛細血管拡張5件(0.38%)[軟膏0.45%、クリーム0.30%]、真菌感染5件(0.38%)[軟膏0.45%、クリーム0.30%]、刺激感5件(0.38%)[クリーム0.75%]、ステロイド潮紅3件(0.23%)[軟膏0.45%]であった。これらはいずれも局所的なものであり、かつ副腎皮質ステロイド外用剤について既知のものであった。
アンテベート軟膏、アンテベートクリームの承認時までの調査及び使用成績調査の集計における安全性評価対象7,875例中105例(1.33%)[軟膏4,012例中51例(1.27%)、クリーム:3,863例中54例(1.40%)]に副作用が発現した。
主な症状は、毛のう炎・せつ24件(0.30%)[軟膏0.32%、クリーム0.28%]、刺激感9件(0.11%)[軟膏0.02%、クリーム0.21%]、ざ瘡様発疹7件(0.09%)[軟膏0.10%、クリーム0.08%]、皮膚萎縮7件(0.09%)[軟膏0.07%、クリーム0.10%]、白癬6件(0.08%)[軟膏0.12%、クリーム0.03%]、皮膚乾燥6件(0.08%)[クリーム0.16%]、そう痒6件(0.08%)[軟膏0.10%、クリーム0.05%]であった。
重大な副作用
頻度頻度不明
眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障、白内障を起こすおそれがあるので注意すること。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により緑内障、後のう下白内障等の症状があらわれるおそれがある。
その他の副作用
頻度まれに:0.1%未満、ときに:0.1~5%未満、副詞なし:5%以上又は頻度不明
1. 皮膚の感染症
ときに皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)、及び細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎・せつ等)があらわれることがある。また、ウイルス感染症があらわれるおそれがある。〔密封法(ODT)の場合に起こり易い〕
このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には本剤の使用を中止すること。
2. その他の皮膚症状
ときにざ瘡(ざ瘡様発疹、ステロイドざ瘡等)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイド潮紅等)、まれに、ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、紅斑、紫斑、多毛、色素脱失、色素沈着、また魚鱗癬様皮膚変化があらわれることがあるので、特に長期連用に際しては注意すること。
このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること。
また、ときに刺激感、湿疹(発赤、苔癬化、腫脹、糜爛等)、まれに接触皮膚炎、皮膚乾燥、そう痒があらわれることがある。
3. 過敏症
皮膚の刺激感、発疹等の過敏症状があらわれた場合には使用を中止すること。
4. 下垂体・副腎皮質系機能
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、下垂体・副腎皮質系機能の抑制をきたすことがあるので注意すること。
高齢者への投与
高齢者への使用
一般に高齢者では副作用があらわれやすいので、大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への使用
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。[動物実験で催奇形作用が報告されている]1)~4)
小児等への投与
小児等への使用
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること。
適用上の注意
1.
使用部位
眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
2.
使用方法
患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう注意すること。
薬物動態
1.
ヒトにおける薬物動態
健常成人男子の胸背部に、本剤軟膏5g又は10gを1日14時間3日間密封塗布したとき、塗布期間中血中には2ng/mL前後の未変化体が検出された。
血中の未変化体は6β-ヒドロキシベタメタゾン17-ブチレート、6β-ヒドロキシベタメタゾンなどに代謝され速やかに尿中へ排泄された。
2.
(参考)動物における薬物動態5)、6)
ラットに3H-標識ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏を経皮投与したところ、塗布部の表皮及び真皮中に未変化体が高い割合で存在した(24時間後73%及び79%)。
また、組織内放射能濃度は投与後8時間から24時間に最高値を示し、肝、腎、副腎及び膀胱に高濃度認められた。
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルは、皮膚のエステラーゼ、更には血液や肝臓のエステラーゼにより17位又は21位が加水分解され、次いで肝臓では主に6β位の水酸化を受けると共に20位のケトンが還元された。
ラットでの主排泄経路は、糞中であり、一部腸肝循環も認められた。
臨床成績
疾患別有効率7)~10)
アンテベート軟膏、アンテベートクリームの全国延べ110施設にて実施された比較試験を含む臨床試験