る場合は用法及び用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。
[外国において、妊娠前3ヵ月から妊娠初期3ヵ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある。]
2.
ビタミンD過剰にならぬように、慎重に投与すること。
小児等への投与
ビタミンD過剰を起こしやすいので、慎重に投与すること。
臨床検査結果に及ぼす影響
1.
尿糖の検出を妨害することがある。
[アスコルビン酸含有のため。]
2.
各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。
[アスコルビン酸含有のため。]
3.
尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。
[リボフラビンリン酸エステルナトリウム含有のため。]
適用上の注意
1. 調製時
(1)
本剤は、アミノ酸製剤とのみ混合した場合、ビタミンの分解が促進されることがある。
また、本剤を高カロリー経静脈栄養輸液に溶解後、通常12時間以内に投与を終了すること。
(2)
配合注射剤によって、ビタミンの分解が促進されることがあるので、注意すること。
2. 投与速度
本剤を、急速に静脈内注射すると、一過性の血圧低下を起こすおそれがあるので、必ず用法及び用量に従って投与すること。
3. 投与時
ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバー(橙黄褐色ポリエチレン製カバー等)で輸液瓶又は輸液バッグを被覆して使用すること。
4. その他
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate; フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
臨床成績
経口・経腸管による栄養補給が不能又は不十分な患者を対象とした臨床試験において、本剤で栄養状態が改善又は維持された症例は、98.1%(51例/52例)であった。1~3)
薬効薬理
雄性ビーグル犬に、糖、アミノ酸、電解質を含むIVH基本液を5日間投与し、その後4週間、IVH基本液に本剤と同じ13種のビタミンを含有するネオラミン・マルチを加えたビタミン投与群(3頭)と、IVH基本液のみのビタミン非投与群(3頭)による血中ビタミン濃度を含む各種検査を実施した。その結果、ビタミン投与群では、なんら異常が認められなかった。一方、ビタミン非投与群では、3週目より全例嘔吐を始め、数日後2頭は死亡し、1頭も衰弱ののち腹臥した。ビタミン投与群での血中ビタミン濃度は、ビタミンB1、B6、C、D、葉酸、パントテン酸は投与前の濃度を維持又は増加傾向にあったが、ビタミンB12、A、Eは減少した。病理組織検査では、非投与群1頭に肝細胞の異常が認められた。両群間では、ビタミンB1量、TPP効果、トランスケトラーゼ活性の差が顕著で、非投与群の死因はビタミンB1の欠乏障害であると推察される。4)
取扱い上の注意
細菌などによる汚染を避けるため、一部使用後の残液は使用しないこと。
包装
10バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
横畠 徳行他: 基礎と臨床, 22, 5839(1988)
2)
大谷 剛正他: 基礎と臨床, 22, 5851(1988)
3)
青木 達哉他: 基礎と臨床, 22, 6451(1988)
4)
東海林 栄敏他: ビタミン, 58, 197(1984)
文献請求先
科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒113-8650 東京都文京区本駒込2丁目28-8
電話 0120-519-874
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
発売元
科研製薬株式会社
東京都文京区本駒込2丁目28-8
**製造販売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号