互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
視力障害が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
機序は不明であるが、動物実験(ラット)において、併用した場合に本剤の視力障害を増強したとの報告がある。
薬剤名等
他の抗結核薬
イソニアジド、リファンピシン等
臨床症状・措置方法
重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。
機序・危険因子
機序は不明である。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. *視力障害
視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害(頻度不明※1)があらわれ、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるので、視力検査等を定期的に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
2. 重篤な肝障害
劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明※1)があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. *ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシー(頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 間質性肺炎、好酸球性肺炎
間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5. 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、紅皮症 (剥脱性皮膚炎)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症 (剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 血小板減少
血小板減少 (頻度不明※1) があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
※1: 自発報告等による副作用のため頻度不明。
その他の副作用
中枢・末梢神経系※2
(頻度不明※1)
四肢のしびれ感
精神神経系※3
(頻度不明※1)
幻覚、不安、不眠
過敏症※3
(頻度不明※1)
発熱、発疹、そう痒
血液
(頻度不明※1)
白血球減少、好中球減少、好酸球増多
肝臓
(頻度不明※1)
一過性のAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
消化器
(頻度不明※1)
食欲不振、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃痛
その他
(頻度不明※1)
頭痛、めまい感、倦怠感、高尿酸血症
※1: 自発報告等による副作用のため頻度不明。
※2: 発現した場合には投与を中止すること。やむを得ず継続する必要がある場合には、慎重に投与すること。
※3: 発現した場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
1.
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、少量から投与を開始するなど注意すること。
2.
高齢者では視力障害があらわれやすいので、定期的に視力検査を行い、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
乳児、幼児に対する安全性は確立していないので原則として投与しないこと。
[視力障害の早期発見が極めて困難である(「原則禁忌」の項参照)。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
本剤は視力障害を来すことがあるので、投与中は常に患者の観察、服薬指導を十分に行い、視力障害の徴候がみられたときは直ちに投与中止などの措置が必要である。
視力障害は主として視神経炎によるとされており、初期症状として霧視、注視している対象物が何となく見えにくい、黒ずんで見える、色調が変わって見えるなどの訴えが多い。
一般に視力障害は早期に発見し、速やかに投与を中止すれば比較的短期間のうちに回復するとされているが、発見の遅れた重症の視力障害例では回復の遷延化、又は未回復も報告されている。
本剤による視力障害例を追跡調査した報告では、高齢者で体重当りの投与量の多い患者、腎機能の低下した患者や糖尿病患者において、副作用が発現しやすい傾向にあるとされている。
眼障害予防の具体的方法
本剤の投与により、視力障害があらわれることがあるので、次のような注意をはらい、視力障害の早期発見に努めること。なお、本剤による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば可逆的であるが、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがある。
(1)
本剤の投与に際しては、次の点を患者に十分徹底すること。
1)
本剤の投与により、ときに視力障害があらわれること。
2)
この視力障害は、早期に発見し、投与を中止すれば可逆的であること。
3)
この視力障害は、新聞を片眼ずつ一定の距離で毎朝読むことによって、早期に発見できること。
4)
視力の異常に気づいたときは、直ちに主治医に申し出ること。
(2)
*本剤の投与開始前に、あらかじめ少なくとも視力検査及び外眼検査を実施すること。
開始前の検査で白内障、視神経炎等の異常が認められた場合には、適当な処置を講じてから、本剤を投与すること。投与中は定期的に眼の