1~5%未満
BUN及びカリウムの上昇、総蛋白及びカルシウムの低下、体重及び尿蛋白の増加、息切れ
その他
0.1%未満
関節痛、ふるえ、急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症の悪化
その他
頻度不明
骨折注7)、糖尿病性黄斑浮腫の発症又は増悪注8)
グリメピリド
血液
頻度不明
白血球減少、貧血
肝臓
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇
腎臓
頻度不明
BUNの上昇
消化器
頻度不明
嘔気、嘔吐、心窩部痛、下痢、便秘、腹部膨満感、腹痛
過敏症
頻度不明
発疹、そう痒感、光線過敏症
精神神経系
頻度不明
めまい、頭痛
その他
頻度不明
電解質異常(血清カリウム上昇、ナトリウム低下等)、倦怠感、CK(CPK)の上昇、浮腫、脱毛、一過性視力障害、味覚異常
その他の副作用の注意
注2)血液検査を定期的(3ヵ月に1回程度)に行うこと。
注3)「重要な基本的注意(2)」の項参照
注4)このような場合には投与を中止すること。
注5)発現頻度:AST(GOT) 0.86%(11/1,272例)、ALT(GPT) 0.94%(12/1,276例)、AL-P 0.47%(6/1,272例)、γ-GTP 0.95%(12/1,263例)
注6)LDH上昇(5.63%、71/1,261例)やCK(CPK)上昇(5.00%、61/1,221例)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、再検査を行うなど観察を十分に行うこと。
注7)外国の臨床試験で、女性において骨折の発現頻度上昇が認められている。
注8)浮腫、体重増加に伴ってあらわれることがある。視力低下等の異常が認められた場合には黄斑浮腫の可能性を考慮し適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており、低血糖があらわれやすいので、ピオグリタゾン/グリメピリドとして1日1回15mg/1mgから投与を開始するなど、副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[ピオグリタゾンについては、ラット器官形成期投与試験では、40mg/kg以上の群で胚・胎児死亡率の高値、出生児の生存率の低値が、ウサギ器官形成期投与試験では、160mg/kg群で親動物の死亡又は流産がそれぞれ1例、胚・胎児死亡率の高値がみられている。また、スルホニルウレア剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、巨大児が認められている。グリメピリドの動物試験(ラット、ウサギ)では催奇形作用が報告されている。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[ピオグリタゾン1)及びスルホニルウレア剤でラット乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
1. 徴候・症状
低血糖が起こることがある。(「副作用」の項参照)
2. 処置
(1)
飲食が可能な場合:ブドウ糖(5~15g)又は10~30gの砂糖の入った吸収の良いジュース、キャンディなどを摂取させる。
(2)
意識障害がある場合:ブドウ糖液(50% 20mL)を静注し、必要に応じて5%ブドウ糖液点滴により血糖値の維持を図る。
(3)
血糖上昇ホルモンとしてのグルカゴン投与もよい。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
スルホニルウレア剤(トルブタミド1日1.5g)を長期間継続使用した場合、食事療法単独の場合と比較して心臓・血管系障害による死亡率が有意に高かったとの報告がある。
2.
イヌにグリメピリドを投与した慢性毒性試験において、最高用量の320mg/kg投与群の雌雄各1例に白内障を認めた。ウシの水晶体を用いたin vitro試験とラットを用いた検討結果では、白内障を発症させる作用や発症増強作用の可能性は認められなかった。
3.
ラット及びマウスにピオグリタゾンを24ヵ月間強制経口投与した試験では、ラット雄の3.6mg/kg/日以上の群に膀胱腫瘍がみられた。
4.
海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究の中間解析において、全体解析では膀胱癌の発生リスクに有意差は認められなかったが(ハザード比 1.2 [95%信頼区間 0.9-1.5])、層別解析でピオグリタゾンの投与期間が2年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した(ハザード比 1.4 [95%信頼区間 1.03-2.0])。2)
また、別の疫学研究において、ピオグリタゾンを投与された患者で膀胱癌の発生リスクが有意に増加し(ハザード比 1.22 [95%信頼区間 1.05-1.43])、投与期間が1年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した(ハザード比 1.34 [95%信頼区間 1.02-1.75])。
5.
家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)のモデル動物であるMinマウスに類薬(トログリタゾン及びロシグリタゾン)を経口投与したところ、結腸腫瘍の数及び大きさを増大させたとの報告がある。3,4)
6.
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
薬物動態
1. 血中濃度
健康成人(71例)に対し、ピオグリタゾン/グリメピリドとして30mg/3mg配合錠とピオグリタゾンとして30mgとグリメピリド3mg(単剤併用投与)をクロスオーバー法により1日1回絶食下で単回経口投与した時のピオグリタゾン未変化体、グリメピリド未変化体の血漿中濃度推移は下図のとおりであり、生物学的同等性が認められた。5)
配合錠投与時のピオグリタゾン未変化体、活性代謝物(M-II~IV)及びグリメピリド未変化体の薬物動態学的パラメータは表1のとおりであった。
なお、Wistar fattyラットで調べた血糖低下作用において、ピオグリタゾンの代謝物M-II~IVの活性は未変化体より弱い。
また