が比較的女性に多く報告されているので、グリメピリド1日1mg単剤の治療により効果不十分な女性に投与する場合は、浮腫の発現に留意し、ピオグリタゾン/グリメピリドとして1日1回15mg/1mgから投与を開始することが望ましい。
(2)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、グリメピリド1日1mg単剤の治療により効果不十分な高齢者に投与する場合は、ピオグリタゾン/グリメピリドとして1日1回15mg/1mgから投与を開始することが望ましい。
(3)
グリメピリド1日3mg単剤の治療により効果不十分な場合は、浮腫、低血糖等に注意し、ピオグリタゾンとして1日30mgを上乗せすることが適切であるか慎重に検討すること。
(4)
ピオグリタゾンとして1日30mg単剤の治療により効果不十分な場合は、原則としてグリメピリドの開始用量(1日0.5~1mg)から各単剤の併用療法を行うこと。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者[循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。](「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)
2.
次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
(1)
肝又は腎機能障害(【禁忌】の項参照)
(2)
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
(3)
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
(4)
激しい筋肉運動
(5)
過度のアルコール摂取者
(6)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
3.
他の糖尿病用薬を投与中の患者(「相互作用」、「重大な副作用」の項参照)
重要な基本的注意
1.
循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、下記の点に留意すること。(【禁忌】、「慎重投与」の項参照)
(1)
心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者には投与しないこと。
(2)
投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状等がみられた場合には投与中止、ループ利尿剤(フロセミド等)の投与等適切な処置を行うこと。
(3)
服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意し、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導すること。
2.
心電図異常や心胸比増大があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど十分に観察し、異常が認められた場合には投与を一時中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。(「その他の副作用」の項参照)
3.
重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
また、低血糖に関する注意及び対処方法について、患者及びその家族に十分徹底させること。
4.
海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究において、ピオグリタゾンを投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加するおそれがあり、また、投与期間が長くなるとリスクが増える傾向が認められているので、以下の点に注意すること。(「その他の注意」の項参照)
(1)
膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
(2)
投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。
(3)
投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。
5.
*糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
6.
本剤の適用においては、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行うこと。
7.
本剤を使用する場合は、インスリン抵抗性が推定される患者に限定すること。インスリン抵抗性の目安は肥満度(Body Mass Index=BMI kg/m2)で24以上あるいはインスリン分泌状態が空腹時血中インスリン値で5μU/mL以上とする。
8.
投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行うこと。
9.
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
10.
急激な血糖下降に伴い、糖尿病性網膜症が悪化する例があるので留意すること。
11.
本剤と他の糖尿病用薬の併用における安全性は確立していない(使用経験はない)。
相互作用
ピオグリタゾンは主として肝薬物代謝酵素CYP2C8で代謝され、他に複数の分子種が代謝に関与する。また、グリメピリドは主としてCYP2C9で代謝される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
*糖尿病用薬
スルホニルウレア剤 グリベンクラミド、グリクラジド、トルブタミド 等
速効型インスリン分泌促進薬 ナテグリニド、ミチグリニドカルシウム水和物 等
α-グルコシダーゼ阻害剤 ボグリボース、アカルボース、ミグリトール
ビグアナイド系薬剤 メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩
DPP-4阻害剤 アログリプチン安息香酸塩、シタグリプチンリン酸塩水和物、ビルダグリプチン、リナグリプチン 等
GLP-1アナログ製剤 リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド
インスリン製剤
SGLT2阻害剤 イプラグリフロジン L-プロリン、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、トホグリフロジン水和物、ルセオグリフロジン水和物 等
糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤
β-遮断薬、モノアミン酸化酵素阻害薬、フィブラート系の高脂血症治療薬、ワルファリン、プロベネシド、ピラゾロン系消炎薬、サリチル酸製剤、プロピオン酸系消炎薬、アリール酢酸系消炎薬、オキシカム系消炎薬、クラリスロマイシン、サルファ剤、クロラムフェニコール、テトラサイクリン系抗生物質、シプロフロキサシン、レボフロキサシン水和物、ア