の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
14.
本剤の有効性は点滴静注用製剤と比較し低い可能性があることから、本剤で十分な効果が認められない場合には、点滴静注用製剤等への切り替えを考慮すること(【臨床成績】の項参照)。
15. 自己投与における注意
(1)
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
(2)
自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者に指導を行うこと。
(3)
使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
**国内第III相臨床試験における安全性解析対象症例346例のうち、初回投与24週後までに、皮下投与群173例中144例(83.2%)、点滴静注群173例中149例(86.1%)に副作用が認められた。皮下投与群の主な副作用は、上気道感染55例(31.8%)、コレステロール増加31例(17.9%)、LDL増加24例(13.9%)、注射部位反応21例(12.1%)、トリグリセリド増加18例(10.4%)等であった。点滴静注群の主な副作用は、上気道感染53例(30.6%)、コレステロール増加33例(19.1%)、LDL増加30例(17.3%)、発疹19例(11.0%)、トリグリセリド増加17例(9.8%)、ALT(GPT)上昇17例(9.8%)等であった。(承認時)
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、点滴静注用製剤の国内臨床試験828例(キャッスルマン病:35例、関節リウマチ:625例、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎:19例、全身型若年性特発性関節炎:149例)、製造販売後調査9,342例(関節リウマチ:8,747例、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎:178例、全身型若年性特発性関節炎:417例)及び皮下注製剤の国内臨床試験(関節リウマチ)378例の結果を合わせて算出した。
※本剤の効能・効果は関節リウマチである。
重大な副作用
1. **アナフィラキシーショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(0.1%)
血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等があらわれることがあるので、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。また、投与終了後も症状のないことを確認すること。
2. **感染症
肺炎(3.3%)、帯状疱疹(2.0%)、感染性胃腸炎(0.8%)、蜂巣炎(1.4%)、感染性関節炎(0.5%)、敗血症(0.5%)、非結核性抗酸菌症(0.4%)、結核(0.1%)、ニューモシスチス肺炎(0.3%)等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。本剤投与後は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
3. **間質性肺炎
(0.5%)
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、CT及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。
4. **腸管穿孔
(0.2%)
腸管穿孔が報告されている。本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。
5. **無顆粒球症(0.1%未満)、白血球減少(4.8%)、好中球減少(1.9%)、血小板減少(2.1%)
無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
6. **心不全
(0.2%)
心不全の報告があるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、休薬・中止など適切な処置を行うこと。
1. **抵抗機構
1%以上
ヘルペスウイルス感染
2. **抵抗機構
0.1~1%未満
インフルエンザ、口腔カンジダ症、耳下腺炎、創傷感染
3. **呼吸器
1%以上
上気道感染〔鼻咽頭炎、上気道炎等〕(11.8%)、気管支炎、咽喉頭疼痛
4. **呼吸器
0.1~1%未満
咳嗽、副鼻腔炎、鼻炎、鼻漏、喘息、胸膜炎、咽頭不快感、喀血、咽頭紅斑、鼻出血、鼻閉
5. **呼吸器
0.1%未満
気管支拡張症
6. **代謝
1%以上
コレステロール増加(5.6%)、トリグリセリド増加、LDL増加、高脂血症、高コレステロール血症
7. **代謝
0.1~1%未満
LDH上昇、HDL増加、高トリグリセリド血症、CK(CPK)上昇、血中尿酸増加、糖尿病増悪、総蛋白減少、血中カリウム減少、血糖増加、血清フェリチン減少、血中リン増加
8. **代謝
0.1%未満
血中リン減少、血中カルシウム減少
9. 肝臓
1%以上
肝機能異常、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇
10. **肝臓
0.1~1%未満
ビリルビン増加、Al-P上昇、脂肪肝、胆石症
11. 循環器
1%以上
高血圧
12. **循環器
0.1~1%未満
血圧上昇、血圧低下、動悸、T波逆転、T波振幅減少、上室性期外収縮、心室性期外収縮、ST部分下降
13. **循環器
0.1%未満
ST部分上昇、T波振幅増加