にて2、4、8mg/kgと増量し(各用量ともに2週間隔にて3回反復投与)、各用量での有効性を検討した。その結果、CRP等の炎症マーカーは、2、4mg/kgでは各投与1週後で低下したものの2週後には再び上昇した症例もみられた。8mg/kgではほとんどの症例は投与期間を通じて低下傾向が持続した。
注)本剤の承認用量は1回8mg/kgである(「用法・用量」の項参照)。
2) 第二段階
キャッスルマン病患者28例を対象として8mg/kgを2週間隔で8回反復投与した。その結果、炎症マーカー(CRP、フィブリノーゲン、ESR)、全身けん怠感(Visual Analog Scaleによる評価)、貧血状態(Hb)、低アルブミン血症等が、初回投与後より投与期間を通じて有意に改善した(表3)。
(2) 継続投与試験22)
第II相試験において検討されたキャッスルマン病患者のうち33例を対象として、原則8mg/kgを2週間隔で長期継続投与(最長1568日、平均1191日)した結果、炎症マーカーをはじめとして治療効果が維持された。
なお、治療効果の維持が不十分であった7例では、投与間隔の短縮(最短1週間隔まで)により炎症マーカーの改善が認められた。
5. 海外臨床試験における悪性腫瘍発現頻度23)
海外の関節リウマチ患者を対象とした二重盲検比較試験における悪性腫瘍の発現率は、本剤投与群では1.60/100人・年(95%信頼区間:1.04-2.37、投与期間の中央値:0.5年、被験者数:2,644例、延べ投与:1,560人・年)、比較対照薬投与群(メトトレキサートあるいはDMARD)では1.48/100人・年(95%信頼区間:0.74-2.65、投与期間の中央値:0.5年、被験者数:1,454例、延べ投与:743人・年)であった。二重盲検比較試験を含む海外長期継続投与試験における悪性腫瘍の発現率は、1.62/100人・年(投与期間の中央値:4.6年、被験者数:4,009人、延べ投与:14,994人・年)であった。
臨床成績の表
表1 ACR基準20%改善頻度
プラセボ注) |
トシリズマブ |
P値 |
例数 |
64 |
61 |
P値 |
ACR20 |
25.0% |
80.3% |
<0.001 |
注)メトトレキサート8mg/週投与
表2 投与52週後のModified Sharp法による各スコアの変化量
|
既存治療 |
トシリズマブ |
P値 |
例数 |
143 |
157 |
P値 |
骨びらん |
3.21(1.0) |
0.85(0.0) |
<0.001 |
関節裂隙狭小化 |
2.91(1.0) |
1.49(0.0) |
0.024 |
Total |
6.12(2.5) |
2.34(0.5) |
0.001 |
( )内は中央値
表3 有効性評価項目の推移(第二段階)
項目 |
投与前 |
投与6週後 |
投与16週後 |
CRP(mg/dL) |
8.7±5.0 |
1.2±1.7※※ |
0.9±2.0※※ |
フィブリノーゲン(mg/dL) |
639±188 |
356±149※※ |
317±138※※ |
ESR(mm/hr) |
114±34 |
63±36※※ |
48±40※※ |
全身けん怠感(0-100mm) |
29.9±22.8 |
17.4±17.2※ |
17.7±16.5※※ |
Hb(g/dL) |
9.2±2.3 |
11.6±1.9※※ |
12.0±2.1※※ |
アルブミン(g/dL) |
2.7±0.5 |
3.6±0.5※※ |
3.7±0.5※※ |
※:p<0.05、※※:p<0.01、対応のあるt検定 (例数:24-28、平均値±SD)
薬効薬理
1.
本薬はin vitroにおいて、可溶性及び膜結合性IL-6レセプターに結合してそれらを介したIL-6の生物活性の発現を抑制した24)。
2.
本薬は、カニクイザルに投与されたヒトIL-6の活性発現を抑制した25)。
3.
本薬は、カニクイザルコラーゲン誘発関節炎において、関節炎発症前からの投与により関節腫脹の発現を抑制するとともに、関節炎発症後の投与により関節の腫脹を改善した26),27)。
4.
抗マウスIL-