期となる好中球減少が発現した場合も次コースの投与量を減量すること。
また、高度(Grade 3)な末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade 1以下)するまで投与を延期し、次回の投与量を減量して投与すること。
(2) ※※C法
<第1日目(各コース開始時)>
好中球数及び血小板数の変動に十分留意し、投与前の臨床検査で好中球数が1,500/mm3未満又は血小板数が100,000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまでは投与を延期すること。
<第8及び15日目>
投与後、好中球数が7日間以上にわたって500/mm3未満となった場合、血小板数が50,000/mm3未満になった場合、又は発熱性好中球減少症が発現した場合、次回以降の投与量を減量すること。
高度(Grade 3)な末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade 1以下)するまで投与を延期し、次回以降の投与量を減量して投与すること。
(3) ※※減量の目安
3.
非小細胞肺癌において、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、選択すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
2.
肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]
3.
腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.
間質性肺炎又は肺線維症のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]
重要な基本的注意
1. 患者への説明及び人血清アルブミンについて
(1) 〔患者への説明〕
本剤の使用にあたっては、下記を患者に説明し、理解を得るよう努めること。
・疾病の治療における本剤の必要性
・本剤は添加物としてヒト血液由来成分を含有しているため、感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、ヒト血漿を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないこと
(2)
本剤の添加物である人血清アルブミンの原料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HBV-DNA、HCV-RNA及びHIV-1-RNAについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。人血清アルブミンの製造工程である、Cohn低温エタノール分画法及び60±0.5℃10~11時間の液状加熱処理は、HIVをはじめとする各種ウイルスに対し、除去・不活化効果を有することが確認されているが、本剤投与による感染症発生の可能性は否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
(3)
添加物に使用している人血清アルブミンの現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19などのウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
(4)
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)などが伝播したとの報告はない。しかしながら、本剤の添加物である人血清アルブミンの製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJDなどの伝播のリスクを完全には排除できないので、本剤投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
2.
骨髄抑制などの重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。なお、白血球減少が軽度であっても著明な好中球減少を発現する症例を認めていることから、血液検査の際には、白血球分画の測定を実施すること。また、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。
3.
末梢神経障害が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状(しびれなど)があらわれた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。使用が長期間にわたると発現頻度が高くなる傾向にあるので、投与は慎重に行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。
4.
重篤な過敏反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、重篤な過敏症状(呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等)があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤投与中は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
5.
低血圧、高血圧、徐脈等が起こることがあるので、本剤投与中は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。重篤な刺激伝導障害があらわれた場合には、適切な処置を行い、その後の本剤投与に際しては継続的に心電図のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
6.
関節痛及び筋肉痛が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には鎮痛剤投与等の適切な処置を行うこと。
7.
発熱が起こることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には感染に対する管理を十分に行い、解熱剤投与等の適切な処置を行うこと。
8.
※※感染症(敗血症を含む)が起こることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には、抗菌薬投与等の適切な処置を行うこと。
9.
出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
10.
投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に十分注意すること。
11.
生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
本剤は主として薬物代謝酵素CYP2C8及びCYP3A4で代謝される(「薬物動態」の項参照)。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
放射線照射
臨床症状・措置方法
(1)パクリタキセルに胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現し