に行い,慎重に投与すること。
機序・危険因子
CYP3A4を介する本剤の代謝が阻害される。
6. 薬剤名等
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
リファンピシン,カルバマゼピン,フェニトイン等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し,作用が減弱する可能性がある。なお,これらの薬剤の中止後に,本剤の血中濃度が上昇し,副作用が発現するおそれがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。
機序・危険因子
CYP3A4を介する本剤の代謝が促進される。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時における安全性評価対象例71例中,副作用は45例(63%)に認められた。主なものは便秘19例(27%),嘔気12例(17%),嘔吐7例(10%),眠気12例(17%),傾眠7例(10%)等であった。
再審査終了時における安全性評価対象例56例中,副作用は12例(21%)に認められた。主なものは,便秘9例(16%),悪心5例(9%),嘔吐3例(5%)であった※1。
(副作用の発現頻度は承認時,再審査終了時の成績に基づく。)
重大な副作用
1. ショック,アナフィラキシー(頻度不明※2):ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,顔面蒼白,血圧低下,呼吸困難,頻脈,全身発赤,血管浮腫,蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2. 依存性(頻度不明※2):連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。また,連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,あくび,くしゃみ,流涙,発汗,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,散瞳,頭痛,不眠,不安,譫妄,痙攣,振戦,全身の筋肉・関節痛,呼吸促迫,動悸等の退薬症候があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,1日用量を徐々に減量するなど,患者の状態を観察しながら行うこと。
3. 呼吸抑制(頻度不明※2):呼吸抑制があらわれることがあるので,息切れ,呼吸緩慢,不規則な呼吸,呼吸異常等があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお,本剤による呼吸抑制には,麻薬拮抗剤(ナロキソン,レバロルファン等)が拮抗する。
4. 錯乱(頻度不明※2),譫妄(2%未満):錯乱,譫妄があらわれることがあるので,このような場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫(頻度不明※2):無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
6. 麻痺性イレウス,中毒性巨大結腸(頻度不明※2):麻痺性イレウスがあらわれることがある。また,炎症性腸疾患の患者に投与した場合,中毒性巨大結腸があらわれるとの報告があるので,これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
7. 肝機能障害(頻度不明※2):AST(GOT),ALT(GPT),Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症注1
頻度不明※2
発疹,蕁麻疹
循環器
5%未満
低血圧
循環器
頻度不明※2
不整脈,血圧変動,起立性低血圧,失神
精神神経系
5%以上
眠気,傾眠,眩暈
精神神経系
5%未満
頭痛・頭重感,不眠
精神神経系
頻度不明※2
発汗,幻覚,意識障害,しびれ,筋れん縮,焦燥,不安,異夢,悪夢,興奮,視調節障害,縮瞳,神経過敏,感覚異常,痙攣,振戦,筋緊張亢進,健忘,抑うつ,感情不安定,多幸感,思考異常,構語障害
消化器
5%以上
便秘,嘔気,嘔吐
消化器
5%未満
下痢,食欲不振,胃不快感,口渇
消化器
頻度不明※2
腹痛,おくび,鼓腸,味覚異常,嚥下障害
その他
5%未満
そう痒感,発熱,倦怠感,血管拡張(顔面潮紅,熱感),呼吸困難
その他
頻度不明※2
悪寒,頭蓋内圧の亢進,脱力感,胸部圧迫感,排尿障害,尿閉,脱水,無月経,性欲減退,勃起障害,浮腫,皮膚乾燥
注1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。
※1:特定使用成績調査(用量調節及び徐放性製剤への切替えに関する調査)における成績
※2:オキシコドン塩酸塩経口製剤で報告されている副作用
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており,特に呼吸抑制の感受性が高いため,患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[オキシコドンでは催奇形作用は認められていないが,類薬のモルヒネの動物試験(マウス)で催奇形作用が報告されている。]
2. 分娩前に投与した場合,出産後新生児に退薬症候(多動,神経過敏,不眠,振戦等)があらわれることがある。
3. 分娩時の投与により,新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
4. 授乳中の婦人には,本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
徴候・症状:呼吸抑制,意識不明,痙攣,錯乱,血圧低下,重篤な脱力感,重篤な眩暈,嗜眠,心拍数の減少,神経過敏,不安,縮瞳,皮膚冷感等を起こすことがある。
処置:過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
1. 投与を中止し,気道確保,補助呼吸及び調節呼吸により適切な呼吸管理を行う。
2. 麻薬拮抗剤投与を行い,患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお,麻薬拮抗剤の作用持続時間はオキシコドンのそれより短いので,患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
3. 必要に応じて,補液,昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
適用上の注意
患者等に対する指導
1. 本剤の投与にあたっては,具体的な服用方法,服用時の注意点,保管方法等を十分に説明し,本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに,本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
2. 本剤が不要となった場合には,病院又は薬局へ返納するなどの処置について適切に指導すること。
**薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) 単回投与
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