薬剤名等
シメチジン、オメプラゾール
臨床症状・措置方法
作用が増強されることがある。
機序・危険因子
シメチジン・オメプラゾールにより肝臓のCYPによる代謝が阻害され、本剤のクリアランスが減少し、血中濃度が上昇することによる。
5. 薬剤名等
シプロフロキサシン
臨床症状・措置方法
作用が増強されることがある。
機序・危険因子
本剤のクリアランスがシプロフロキサシンとの併用により低下することが報告されている。
6. 薬剤名等
フルボキサミンマレイン酸塩
臨床症状・措置方法
作用が増強されることがある。
機序・危険因子
本剤の代謝が阻害されることにより本剤のクリアランスが低下することが報告されている。
7. 薬剤名等
マプロチリン塩酸塩
臨床症状・措置方法
1)中枢神経抑制作用を増強することがある。
2)併用中の本剤を急速に減量又は中止するとけいれん発作が起こることがある。
機序・危険因子
1)相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
2)本剤の抗けいれん作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩のけいれん誘発作用が、本剤の急速な減量又は中止によりあらわれることが考えられている。
8. 薬剤名等
ダントロレンナトリウム水和物
臨床症状・措置方法
筋弛緩作用を増強することがある。
機序・危険因子
相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例4,560例中、副作用が報告されたのは403例(8.84%)527件であった。そのうち、主なものはふらつき229件(5.02%)、眠気206件(4.52%)、興奮16件(0.35%)であった。[再審査終了時]
重大な副作用
1. 依存性
頻度不明
大量連用により、薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないよう慎重に投与すること。また、大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、けいれん発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
2. 刺激興奮、錯乱等
頻度不明
統合失調症等の精神障害者に投与すると逆に刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 呼吸抑制
頻度不明
慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 精神神経系
1%以上
眠気、ふらつき
2. 精神神経系
1%未満
歩行失調、頭痛、言語障害、興奮、振戦
3. 精神神経系
頻度不明
眩暈、失禁、霧視、複視、多幸症
4. 肝臓
頻度不明
黄疸
5. 呼吸器
1%未満
喘鳴、気道分泌過多
6. 血液
1%未満
白血球減少症
7. 血液
頻度不明
顆粒球減少症
8. 循環器
頻度不明
頻脈、血圧低下
9. 消化器
1%未満
悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、流涎
10. 消化器
頻度不明
便秘、口渇
11. 過敏症注)
1%未満
発疹
12. その他
1%未満
脱力感、四肢冷感、頻尿
13. その他
頻度不明
倦怠感、浮腫、低体温
注)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。(太字)
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
本剤は小児用の製剤である。
(1)
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中にジアゼパム製剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。]
(2)
妊娠後期の婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。
なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。]
(3)
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
(4)
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。]
小児等への投与
1. 乳児
乳児(1歳未満)に対し投与された244例のうち、13例(5.33%)に副作用が発現したが、1歳以上の症例の副作用発現率6.94%(273例/3,934例)と有意差はなかった。
しかし、乳児では、一般的に代謝排泄機能が未熟であることが考えられるので慎重投与とする。
2. 低出生体重児・新生児
低出生体重児・新生児に対しては使用経験が少なく、安全性が確立していないので投与しないこと。(一般的に、脂肪組織が少ないため、予想より血中濃度が高くなる可能性があり、また、肝機能、腎機能が未熟であるので、半減期が延長されるとの報告がある。)[再審査終了時]
過量投与
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。
適用上の注意
投与経路
本剤は直腸投与のみに使用し、経口投与はしないこと。
その他の注意
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗けいれん作用が変化、遅延するおそれがある。
薬物動態
健康成