DOPS(屈昔多巴)ドプスOD錠100mg/ドプスOD錠200mg/ドプスカプセル100mg/ドプスカプセル200mg/ドプス細粒20%(五)
|
8.1 |
細粒20%
(水で服用) |
1.9 |
1.8 |
2.1 |
7.9 |
表3 パーキンソン病、シャイドレーガー症候群及び家族性アミロイドポリニューロパチー患者に1回経口投与した場合の薬物動態学的パラメータ
投与量
(mg) |
対象 |
例数 |
Cmax
(μg/mL) |
Tmax
(hr) |
300 |
パーキンソン病 |
9 |
2.5 |
5 |
300 |
シャイドレーガー症候群等 |
9 |
1.56~1.89 |
4 |
300 |
家族性アミロイドポリニューロパチー |
7 |
1.14 |
5 |
臨床成績
承認時までの二重盲検比較試験を含む臨床試験成績の概要は次のとおりである。
(1) パーキンソン病(Yahr重症度ステージIII)9, 10)
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、すくみ足、たちくらみを指標とした臨床改善度は29.4%(15/51)であった。
また、上記二重盲検比較試験を含む臨床試験において、すくみ足、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上31.6%(61/193)であった。
(2) シャイドレーガー症候群11)
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、起立性低血圧、失神、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上40.9%(9/22)であった。
また、上記二重盲検比較試験を含む臨床試験において、起立性低血圧、失神、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上32.4%(22/68)であった。
(3) 家族性アミロイドポリニューロパチー12)
起立性低血圧、失神、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上37.9%(11/29)であった。
(4) 血液透析患者13, 14)
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、起立性低血圧を指標とした臨床改善度は、中等度改善以上52.5%(73/139)であった。
また、上記二重盲検比較試験を含む臨床試験において、起立性低血圧を指標とした臨床改善度は、中等度改善以上51.2%(104/203)であった。
薬効薬理
1. ノルアドレナリン前駆体作用
本剤は生体内に広く存在する芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素により直接l-ノルアドレナリンに変換される。15)
2. パーキンソン病におけるすくみ足、たちくらみの改善に関連して:
(1)
本剤は血液脳関門を通過して脳内に移行することが認められている。15, 16)
脳内ノルアドレナリン枯渇動物において、低下した脳内ノルアドレナリン量を回復させ、またノルアドレナリン作動性神経の機能低下に伴う諸症状を回復させる(マウス、ラット、ネコ)。17-21)
(2)
モルモット前脳部ホモジネート又はヒト大脳皮質シナプトゾームを用いた実験(in vitro)で、本剤は神経終末部へ取り込まれることが認められている。22)
また、脳切片(in vitro)及び生体標本を用いた実験で、神経終末部からのノルアドレナリンの遊離を促進させる(モルモット)。23)
3. シャイドレーガー症候群及び家族性アミロイドポリニューロパチーにおける起立性低血圧等の改善に関連して:
(1)
6-ハイドロキシドパミンにより交感神経終末を破壊した動物において血圧を上昇させる(ラット)。24)
(2)
DSP-4によりノルアドレナリン作動性神経終末を選択的に破壊した動物及びヘキサメトニウムにより自律神経節を遮断した動物において、体位変換に伴う起立性低血圧を抑制する(ラット)。25)
(3)
シャイドレーガー症候群患者を対象とし微小神経電図法により検討した試験で、体位変換時の筋支配交感神経活動(発射頻度)増加作用が認められている。26)
4. 起立性低血圧を伴う血液透析患者におけるめまい・ふらつき・たちくらみ、倦怠感、脱力感の改善に関連して:
(1)
脱血(全血液量の約1/5量)により血圧を下降させた動物において、血圧を上昇させる(ラット)。27)
(2)
脱血による脳血流量低下を示す動物及び麻酔動物で脳血流量を増加させる(ラット)。27)
(3)
脱血による自発運動量の低下を示した動物において、運動抑制を改善させる(ラット)。27)
(4)
レセルピンによりノルアドレナリン作動性神経を障害した動物において、体位変換による血圧下降を抑制し、悪化した血圧の回復過程を改善させる(ウサギ)。28)
また、DSP-4によりノルアドレナリン作動性神経終末を選択的に破壊した動物及びヘキサメトニウムにより自律神経節を遮断した動物において、体位変換に伴う起立性低血圧を抑制する(ラット)。25)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ドロキシドパ(Droxidopa)
化学名
(2S,3R)-2-Amino-3-(3,4-dihydroxyphenyl)-3-hydroxypropanoic acid
構造式
分子式
C9H11NO5(213.19)
性状
白色~淡褐色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
融点
220℃付近から茶褐色に変化し始め、225℃付近で融解が始まり、230℃付近で黒色となって液化し、融点又は分解点の測定は困難である。
分配係数
1.22×10-3(1-オクタノール:水系、pH5)
1.05×10-3(1-オクタノール:水系、pH7)
取扱い上の注意
〔OD錠:口腔内崩壊錠〕
自動分包機を使用する場合は欠けることがあ |