する試験成績は得られていない。
注5)免疫組織化学染色(IHC)法及び蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を用いて、又は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用いて検査された。
IHC法としてヒストファインALK iAEPキットが使用され、コンパニオン診断薬として製造販売承認されている。また、FISH法として研究機関で確立された検査法が使用され、当該検査法との同等性が確認されたVysis ALK Break Apart FISHプローブキットがコンパニオン診断薬として製造販売承認されている。
薬効薬理
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌では、ALKチロシンキナーゼ活性が異常に亢進しており、癌化及び腫瘍増殖に関与している。
1. *抗腫瘍効果12,18)
アレクチニブ及び主要代謝物(M-4)は、ALK融合遺伝子陽性のヒト非小細胞肺癌由来NCI-H2228細胞株の細胞増殖を抑制した。また、アレクチニブは、NCI-H2228細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。
2. 作用機序18)
アレクチニブは、ALKチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、ALK融合遺伝子陽性の腫瘍細胞の増殖を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アレクチニブ塩酸塩
(Alectinib Hydrochloride)(JAN)
化学名
9-Ethyl-6,6-dimethyl-8-[4-(morpholin-4-yl)piperidin-1-yl]-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile monohydrochloride
構造式
分子式
C30H34N4O2・HCl
分子量
519.08
性 状
白色~黄赤みの白色の粉末又は塊のある粉末である。2,2,2-トリフルオロエタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水、アセトニトリル及びアセトンにはほとんど溶けない。
融 点
約302℃(分解)
承認条件
1.
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
2.
本剤の投与が、肺癌の診断、化学療法に精通し、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
包装
アレセンサカプセル20mg:14カプセル(バラ)
アレセンサカプセル40mg:98カプセル(バラ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:遺伝毒性試験
2)
社内資料:薬物動態解析報告書No.1.0(AF-001JP試験)
3)
*社内資料:代謝物の薬物動態解析報告書No.1.0(AF-001JP試験)
4)
**社内資料:絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験報告書No.1.0(NP28989試験)
5)
社内資料:In vitro血漿中蛋白結合・血球移行
6)
社内資料:In vitroヒト血漿中結合蛋白
7)
社内資料:白色ラット分布
8)
社内資料:有色ラット分布
9)
社内資料:ヒトCYP発現系ミクロソームにおける代謝関与酵素
10)
社内資料:ヒト肝ミクロソームにおける代謝関与酵素
11)
社内資料:ヒト肝細胞及びミクロソームにおける代謝関与酵素
12)
*社内資料:ヒト主要代謝物のALKに対する阻害活性
13)
*社内資料:CYP3A阻害剤との臨床薬物相互作用試験報告書No.1.0(NP28990試験)
14)
*社内資料:CYP3A誘導剤との臨床薬物相互作用試験報告書No.1.0(NP29042試験)
15)
**社内資料:CYP3A基質との臨床薬物相互作用試験報告書No.1.0(NP28673試験)
16)
**社内資料:プロトンポンプ阻害剤との臨床薬物相互作用試験報告書No.1.0(NP28991試験)
17)
社内資料:国内第I/II相試験(AF-001JP試験)
18)
Sakamoto H, et al.:Cancer Cell:19, 679(2011)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
中外製薬株式会社 医薬情報センター
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706
Fax:0120-189705
http://www.chugai-pharm.co.jp
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1