常
0.1~5%未満
血中カリウム上昇、血中尿酸上昇
消化器
0.1~5%未満
下痢
肝臓
0.1~5%未満
ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇
腎臓
0.1~5%未満
BUN、クレアチニンの上昇
その他
0.1~5%未満
血中CK(CPK)上昇
その他の副作用の注意
注2)このような場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
1.
高齢者では患者の状態を観察しながら低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
[一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。]
2.
臨床試験では65歳以上の高齢者と65歳未満の非高齢者において、本剤の効果、安全性に差は認められていない。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
[妊娠中期及び末期にアンジオテンシンII受容体拮抗剤やアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[ラットの周産期及び授乳期に本剤を強制経口投与すると、0.3mg/kg/日以上の群で出生児に腎盂拡張が認められ、10mg/kg/日以上で体重増加の抑制が認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与1)
健康成人にアジルサルタン20mg(9例)及び40mg(9例)を単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは下図及び表1のとおりである。
(2) 反復投与2)
健康成人にアジルサルタン20mg(12例)及び40mg(12例)を1日1回7日間投与した時、血漿中濃度は投与4日後までに定常状態に達し、それぞれ蓄積性はなかった。
(3) 食事の影響3)
健康成人(12例)にアジルサルタン40mgを食後投与した時、未変化体のCmax、AUCは絶食下投与した時と比較して、それぞれ3.0%、8.4%減少した。
2. 蛋白結合率4)
[14C]アジルサルタンを0.3、3、30μg/mL濃度でヒト血漿に添加した時、いずれも蛋白結合率は99.5%であった(in vitro)。
3. 代謝5)
(1)
アジルサルタンは脱炭酸により代謝物M-Iに、また、CYP2C9により代謝物M-IIに代謝される。なお、M-I及びM-IIのAT1受容体の阻害作用は未変化体の約1/1,000であった(in vitro)。
(2)
アジルサルタンはCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4を阻害せず、CYP3Aを誘導しなかった(in vitro)。
4. 尿中排泄2)
健康成人にアジルサルタン20mg(12例)及び40mg(12例)を1日1回7日間反復投与した時、投与168時間までの未変化体の累積尿中排泄率はそれぞれ15.1%、14.6%であった。
5. 腎障害時の動態6,7)
腎障害の程度が異なる高血圧症患者(eGFR※が15~30未満の重度腎障害者4例、30~60未満の中等度腎機能障害者10例、60以上の正常~軽度腎機能障害者8例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間反復投与した時、正常~軽度腎機能障害者と比較して中等度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.3%、16.7%増加し、重度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ8.9%、39.3%増加した。
また、腎障害を伴う高血圧症患者を対象とした試験(【臨床成績】3.の項参照)において、中等度腎機能障害者と比較して重度腎機能障害者のトラフ時血漿中薬物濃度は35.1~61.3%増加し、重篤な腎機能障害者(eGFR※が15未満)のトラフ時血漿中薬物濃度は51.0~91.9%増加した。
※男性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287
女性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287×0.739
6. 肝機能障害時の動態 (外国人データ)8)
軽度~中等度肝機能障害者(Child-Pugh※スコアが5~6の軽度肝機能障害者8例、7~9の中等度肝機能障害者8例、計16例) 及び健康成人(16例)にアジルサルタン メドキソミル※※として40mgを5日間反復投与した時、健康成人と比較して軽度肝機能障害者のCmaxは7.7%減少、AUCは27.9%増加、中等度肝機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.9%、64.4%増加した。(「慎重投与」の項参照)。
※ : ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類
※※ :アジルサルタンのプロドラッグ体(国内未承認)
7. 加齢の影響 (外国人データ)9)
健康な高齢者(65歳以上85歳以下、24例)及び非高齢者(18歳以上45歳以下、24例)にアジルサルタン40mgを1日1回5日間反復投与した時、高齢者のCmax、AUC(8日目)は、非高齢者と比較してそれぞれ15.6%、9.0%減少した。
8. 薬物間相互作用 (外国人データ)10)
健康成人(18例)にフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)200mgを1日1回7日間反復投与及びアジルサルタン40mgを単回併用投与(フルコナゾール投与7日目)した時、アジルサルタンのCmax、AUCは、単独投与時と比較してそれぞれ14.1%、42.1%増加した。
表1 単回投与時の血中濃度
投与量 |
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(h) |
AUC0-inf
(ng・h/mL) |
T1/2
|