本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
13. 薬剤名等
フェンタニル
臨床症状・措置方法
フェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある21)。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
14. 薬剤名等
*リバーロキサバン
臨床症状・措置方法
リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
15. 薬剤名等
テオフィリン
臨床症状・措置方法
テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
16. 薬剤名等
経口避妊薬
臨床症状・措置方法
エチニルエストラジオール22)、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
17. 薬剤名等
スルホニル尿素系血糖降下薬(クロルプロパミド、グリベンクラミド、トルブタミド等)
臨床症状・措置方法
スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある23)。
また、併用により低血糖の報告がある。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
18. 薬剤名等
ナテグリニド
臨床症状・措置方法
ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある24)。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
19. 薬剤名等
トレチノイン
臨床症状・措置方法
中枢神経系の副作用が発現するおそれがある25)。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
20. 薬剤名等
ジアゼパム
臨床症状・措置方法
ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある26)。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450 3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
21. 薬剤名等
*トファシチニブ
臨床症状・措置方法
トファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450 3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
22. 薬剤名等
シクロホスファミド
臨床症状・措置方法
ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある27)。
機序・危険因子
本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450 3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。
23. 薬剤名等
アミトリプチリン
ノルトリプチリン
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある28~31)。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
24. 薬剤名等
ジドブジン
臨床症状・措置方法
ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある32)。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
25. 薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある33)。
機序・危険因子
リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。
26. 薬剤名等
三酸化ヒ素
臨床症状・措置方法
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤及び三酸化ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)を起こすことがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
**本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
フルコナゾール(カプセル)開発時及び承認後6年間(平成元年3月31日~平成7年3月30日)の調査(再審査終了時)において、989例中63例(6.37%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
副作用の主なものは、悪心(0.30%)、下痢(0.30%)、発疹(0.20%)、浮腫(0.20%)等であった。
臨床検査値異常の主なものは、ALT(GPT)上昇(1.52%)、AST(GOT)上昇(1.21%)、Al-P上昇(1.01%)等であった。34)
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明注))
ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注))
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中