◇SGA性低身長症
(1)
治療前及び治療中には、IGF-Iを3ヵ月~6ヵ月に1回、HbA1c、空腹時又は随時血糖、TSH、fT4、骨年齢を6ヵ月~1年に1回測定すること。異常が認められた場合には投与中止を考慮すること。
(2)
SGA性低身長症における本剤の治療は、小児内分泌専門医等の本疾患に関する専門家もしくはその指導の下で行うこと。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
糖質コルチコイド
臨床症状
成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。
機序
糖質コルチコイドが成長抑制作用を有するため。
2. 薬剤名等
インスリン
臨床症状
インスリンの血糖降下作用が減弱することがある。
機序
成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため。
副作用
副作用等発現状況の概要
◇成長ホルモン分泌不全性低身長症
承認時までの臨床試験及び市販後の使用成績調査(再審査終了時点)において、1,265例中63例(4.98%)に臨床検査値異常を含む副作用が93件認められた。
◇ターナー症候群における低身長
承認時までの臨床試験及び市販後の使用成績調査(再審査終了時点)において、231例中41例(17.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が65件認められた。
◇軟骨異栄養症における低身長
承認時までの臨床試験(59例)において、副作用(臨床検査値異常を含む)は11件/7例(11.9%)に認められた。
また、特別調査(1997年4月22日から2003年2月28日までの集計)(258例)において、副作用(臨床検査値異常を含む)は171件/66例(25.6%)に認められた。
◇成人成長ホルモン分泌不全症
承認時までの臨床試験(180例)において副作用(臨床検査値異常を含む)は413件/115例(63.9%)認められた。
主な副作用は関節痛39件/25例(13.9%)、末梢性浮腫36件/32例(17.8%)、浮腫24件/19例(10.6%)であった。
◇SGA性低身長症
国内臨床試験における安全性評価対象例において82例中26例(31.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が45件認められた。
主な副作用は関節痛9件/5例(6.1%)、四肢痛7件/6例(7.3%)であった。
重大な副作用
O脚の悪化
頻度不明
O脚を合併した軟骨異栄養症患者に本剤を投与したところ、O脚が悪化し、手術を受けた症例が報告されている。このような患者に本剤を投与する場合には、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
けいれん
頻度不明
けいれんがあらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
甲状腺機能亢進症
頻度不明
甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群
頻度不明
ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
糖尿病
頻度不明
耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
1. 過敏症(注1)
0.1%以上
そう痒(症)、発疹(蕁麻疹、紅斑等)
2. 過敏症(注1)
0.1%未満
注射部位発赤
3. 内分泌
0.1%以上
耐糖能低下(注2)、T3値の増加及び減少、T4値の増加及び減少、TSH上昇及び低下
4. 内分泌
0.1%未満
甲状腺機能低下症(注3)
5. 肝臓
0.1%以上
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇
6. 消化器
0.1%以上
腹痛
7. 消化器
0.1%未満
嘔気、嘔吐
8. 筋・骨格系
0.1%以上
関節痛・下肢痛等の成長痛、筋痛、筋骨格硬直、背部痛、四肢痛、筋痙縮、側弯症等の脊柱変形の進行
9. 筋・骨格系
0.1%未満
有痛性外脛骨、exostosis、大腿骨骨頭辷り症、大腿骨骨頭壊死、踵骨骨端炎、周期性四肢麻痺
10. 筋・骨格系
頻度不明
関節硬直(注4)
11. 投与部位
0.1%以上
注射部位の熱感・疼痛
12. 投与部位
0.1%未満
注射部位の硬結、皮下脂肪の消失
13. 神経系
0.1%以上
頭痛、倦怠感、感覚障害(しびれ、錯感覚、感覚鈍麻等)
14. 神経系
0.1%未満
手根管症候群、頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心・嘔吐(注5)
15. その他
0.1%以上
LDH上昇、白血球数上昇、好酸球増多、遊離脂肪酸上昇、血清P上昇、尿潜血・顕微鏡的血尿、蛋白尿、ALP上昇、CK(CPK)上昇、浮腫
16. その他
0.1%未満
ミオグロビン上昇
(注1)発現した場合には投与を中止すること。
(注2)定期的に尿糖等の検査を実施することが望ましい。
(注3)甲状腺機能低下症があらわれ、あるいは悪化し、本剤による治療効果が低下することがあるので、甲状腺機能を定期的に検査し、このような場合には適当な治療を行うことが望ましい。
(注4)外国のみで報告
(注5)発現した場合には本剤の投与を中止するか、減量すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では、生理機能が低下している。また、外国において、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている。そのため、高齢者に使用する場合は、投与量の減量あるいは投与中止も考慮に入れて、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
過量投与
過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。長期の過量投与により先端巨大症の症状が認められることがある1)2) 。
適用上の注意
1. 保