Viracept Tab(Nelfinavir mesilate)ビラセプト錠250mg(七)
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アジスロマイシン
1,200mg単回投与 |
750mg 8時間毎1日3回投与×11日 |
12 |
↓16% |
↓10% |
オメプラゾール
40mg1日1回投与×4日 |
1,250mg 1日2回投与×4日 |
19 |
↓36% |
↓37% |
↑増加 ↓減少
注9)本剤の承認された1回用量は1,250mg又は750mgである。
臨床成績
<日本人における成績>5)
日本人のHIV感染症患者38例に対して,ネルフィナビルとして1回750mgを1日3回,ジドブジンを含む逆転写酵素阻害剤と24週間併用投与を行った。その結果,免疫学的評価の主要項目であるCD4リンパ球数は,投与開始後24週目において基準値より75cells/mm3の上昇を示した。また,ウイルス学的評価の主要項目である血漿中HIV RNA量は,検出限界(100copies/mL)以下となった症例のHIV RNA量を50copies/mLと仮定したとき,投与開始後2週目以降基準値からの持続的な低下を示し,投与開始後4週目において平均-1.41log10copies/mLと最大の低下を示した。また,投与開始後12週目及び24週目においてそれぞれ平均-1.11log10copies/mL及び-1.26log10copies/mLの低下を示し,これらの値にはそれぞれ統計学的な有意差(p<0.0001及びp=0.0004)が認められた。血漿中HIV RNA量が検出限界以下となった症例の割合は,投与開始後12週目で19.4%,24週目で28.6%を示した。
<外国人における成績>(参考)
(1) 511試験
抗レトロウイルス剤による治療経験のない297例のHIV感染症患者を対象に,ジドブジン(200mg,1日3回投与)及びラミブジン(150mg,1日2回投与)を基礎治療薬として本剤の500mg注10)(500mg群),750mg(750mg群)及びプラセボ(コントロール群)を1日3回48週間投与する二重盲検比較試験により検討した。
患者の年齢の中間値は35歳(21~63歳),78%が白人,89%が男性であり,開始時の平均CD4リンパ球数は288cells/mm3,平均血漿中HIV RNA量は5.21log10copies/mLであった。投与後48週目のCD4リンパ球数の平均増加量は,198cells/mm3(750mg群),192cells/mm3(500mg群),127cells/mm3(コントロール群)であった。
また,投与48週後までの血漿中HIV RNA量が400copies/mL未満であった患者の比率注11)の推移を図に示した。
注10) 本剤の承認された1回用量は1,250mg又は750mgである。
注11)理由にかかわらず試験を中止した患者及び効果不十分の理由で薬剤を変更した患者については,それ以降の期間の血漿中HIV RNA量を400copies/mL以上とみなした。
(2) 542試験
核酸系逆転写酵素阻害剤の使用経験が6カ月以下で,かつHIVプロテアーゼ阻害剤の使用経験のないHIV感染症患者を対象に,サニルブジン(30~40mg,1日2回投与)及びラミブジン(150mg,1日2回投与)を基礎治療薬として本剤750mgを1日3回(TID群:210例),又は1,250mgを1日2回(BID群:344例)投与する無作為化オープン試験を実施した。
患者の平均年齢はTID群で37歳,BID群で36歳,TID群の91%が白人で82%が男性,BID群の91%が白人で85%が男性であった。開始時の平均CD4リンパ球数はTID群,BID群で各々304cells/mm3,292cells/mm3,平均血漿中HIV RNA量はTID群,BID群で各々5.1log10copies/mL,5.0log10copies/mLであった。投与後48週目のCD4リンパ球数の平均増加量は,192cells/mm3(TID群),212cells/mm3(BID群)であり有意差はなかった。
また,投与48週後までの血漿中HIV RNA量が400copies/mL未満であった患者の比率注12)の推移を図に示した。
注12)理由にかかわらず試験を中止した患者及び効果不十分の理由で薬剤を変更した患者については,それ以降の期間の血漿中HIV RNA量を400copies/mL以上とみなした。
(3) 薬物血中濃度と有効性・副作用発現の関連について
本剤を単剤で投与した503試験の65例において,各症例の朝の投薬前の平均トラフ値と抗HIV活性を比較検討した結果,投与開始後4週間に血漿中HIV RNA量が2.0log10copies/mL以上低下した症例,1.0~2.0log10copies/mL低下した症例,一過性に1.0log10copies/mL以上低下したが4週以内に再上昇した症例及び低下が1.0log10copies/mL未満であった症例の4群に分けた場合の平均未変化体トラフ値は,各々2.10±1.10μg/mL(n=25),1.86±0.74μg/mL(n=27),1.37±0.95μg/mL(n=9)及び0.93±0.30μg/mL(n=4)であり,本剤の有効性は血中濃度依存的であることが推察された。また,ジドブジン及びラミブジンとの併用試験(511試験)においても,本剤の有効性が血中濃度依存的であることが認められている。
一方,同じ503試験において,本剤の主たる副作用である下痢,皮疹及び嘔気・嘔吐が発現した症例と発現しなかった症例における朝の投薬前の平均未変化体トラフ値を比較検討した結果,下痢発現例及び非発現例で各々1.86±0.96μg/mL(n=43)及び1.75±0.97μg/mL(n=22),皮疹発現例及び非発現例で各々1.81μg/mL(n=2)及び1.83±0.97μg/mL(n=63),嘔気・嘔吐発現例及び非発現例で各々2.08±1.20μg/mL(n=4)及び1.81±0.94μg/mL(n=61)といずれも平均未変化体トラフ値に有意差は認められず,有害事象の発現は本剤のトラフ値に依存していないと推察された。
薬効薬理
1. 作用機序
本剤は,HIV-1由来のプロテアーゼの活性を選択的に阻害 |