注意すること。ただし、カルシウム補給剤及びカルシウム、アルミニウム、マグネシウム含有製剤は、本剤の吸収を妨げることがあるので、服用時刻を変えて服用させること。(「相互作用」の項参照)
2.
本剤を含むビスフォスフォネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
3.
ビスフォスフォネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数カ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
骨粗鬆症の場合
骨粗鬆症の発症にエストロゲン欠乏、加齢以外の要因が関与していることもあるので、治療に際してはこのような要因を考慮する必要がある。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
水以外の飲料、食物(特に牛乳、乳製品などの高カルシウム含有飲食物)
多価陽イオン(カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム等)含有製剤(制酸剤、ミネラル入りビタミン剤等)
臨床症状・措置方法
同時に服用すると本剤の吸収が妨げられることがあるので、起床後、最初の飲食前に本剤を服用し、かつ服用後少なくとも30分は上記の飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者を指導すること。
機序・危険因子
カルシウム等と錯体を形成する。
併用注意に関する注意
同時に摂取・服用しないこと
副作用
副作用等発現状況の概要
**骨粗鬆症
国内の臨床試験で週1回リセドロン酸ナトリウムとして17.5mgが投与された例における臨床検査値の異常を含む副作用発現頻度は24.9%(62/249例)であり、自他覚的副作用は17.3%(43/249例)に、臨床検査値異常変動は8.8%(22/249例)にみられた。主な副作用は胃不快感(6.0%)、便秘(2.4%)、上腹部痛(1.6 %)等の消化器症状、γ-GTP増加(2.4 %)、AST(GOT) 増加(1.6 %)、ALT(GPT)増加(1.2%)等の肝機能検査値異常であった。
製造販売後の特定使用成績調査(再審査終了時点)では3,452例中244例(7.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主な副作用は腹部不快感(2.0%)、消化不良(0.6%)、上腹部痛(0.6%)、悪心(0.6%)等の消化器症状であった。
骨ページェット病
国内の臨床試験で1日1回リセドロン酸ナトリウムとして17.5mgが投与された例における副作用発現頻度は25.0%(3/12例)であり、その内訳は、下痢、胃不快感、末梢性浮腫であった。また、外国の臨床試験で1日1回リセドロン酸ナトリウムとして30mgが投与された例における副作用発現頻度は47.5%(29/61例)であり、主な副作用は下痢(11.5%)、悪心、関節痛(各8.2%)、頭痛(4.9%)及び腹痛、便秘、排便回数増加、鼻咽頭炎(各3.3%)であった。
重大な副作用
1. **上部消化管障害
食道穿孔(頻度不明)注1)、食道狭窄(頻度不明)注1)、食道潰瘍(頻度不明)注1)、胃潰瘍(0.1%未満)注2)、食道炎(頻度不明)注1)、十二指腸潰瘍(0.1%未満)注2)等の上部消化管障害が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(【禁忌】、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
2. 肝機能障害、黄疸
(いずれも頻度不明)注1)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 顎骨壊死・顎骨骨髄炎
(頻度不明)注1)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
4. 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
(頻度不明)注1)
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
注1)自発報告あるいは外国からの報告
**注2)製造販売後の骨粗鬆症の特定使用成績調査結果に基づく
その他の副作用
以下の副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
消化器
5%以上
胃不快感
消化器
1~5%未満
便秘、上腹部痛
**消化器
1%未満
悪心、胃炎、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ)、味覚異常、口内炎、口渇、嘔吐、食欲不振
消化器
頻度不明注)
軟便、おくび、舌炎、十二指腸炎、鼓腸、歯肉腫脹
**過敏症
1%未満
そう痒症、発疹、紅斑
過敏症
頻度不明注)
蕁麻疹、皮膚炎(水疱性を含む)、血管浮腫
肝臓
1~5%未満
γ-GTP増加、AST(GOT)増加、ALT(GPT) 増加
肝臓
1%未満
血中アルカリホスファターゼ増加
肝臓
頻度不明注)