濃度を上昇させるとの報告がある。[【薬物動態】の項参照]
機序・危険因子
P糖蛋白の阻害による本剤のクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。
副作用
副作用等発現状況の概要
〈成人〉
国内・外の臨床試験において、総症例6,809例(国内1,060例、海外5,749例)中、1,093例(16.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は頭痛310例(4.6%)、眠気158例(2.3%)、嘔気83例(1.2%)等であった。(効能・効果追加承認時)
使用成績調査及び特別調査において、総症例3,876例中、61例(1.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は眠気19例(0.5%)、腹痛8例(0.2%)、めまい、けん怠感各5例(各0.1%)等であった。(再審査終了時)
**〈小児〉
国内臨床試験において、総症例158例中、13例(8.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は眠気5例(3.2%)、ALT(GPT)上昇3例(1.9%)、γ‐GTP上昇2例(1.3%)、喘息増悪2例(1.3%)等であった。(用法・用量追加承認時)
使用成績調査において、総症例3,313例中、23例(0.69%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は眠気6例(0.18%)、腹痛2例(0.06%)、胃腸炎2例(0.06%)等であった。
4週間を超える長期投与症例174例において副作用は認められなかった。製造販売後臨床試験において、総症例304例中、10例(3.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用はAST(GOT)上昇5例(1.6%)、ALT(GPT)上昇2例(0.7%)等であった。(再審査終了時)
なお、比較試験において副作用の発現率にはプラセボとの差はなかった。
**「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、成人の効能・効果追加承認時までの国内外の臨床試験、小児の用法・用量追加承認時までの国内臨床試験及び製造販売後調査等(使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)の結果を合わせて算出した。
重大な副作用
1. **ショック、アナフィラキシー(頻度不明注))
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下、意識消失、血管浮腫、胸痛、潮紅等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 肝機能障害、黄疸(頻度不明注))
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTP、Al‐P、LDHの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 無顆粒球症(頻度不明注))、白血球減少(0.2%)、好中球減少(0.1%未満)
無顆粒球症、白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用の注意
注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。
その他の副作用
1. 精神神経系
0.1~5%未満
頭痛、眠気、疲労、けん怠感、めまい、不眠、神経過敏
2. 精神神経系
0.1%未満
悪夢、睡眠障害、しびれ感
3. 消 化 器
0.1~5%未満
嘔気、嘔吐、口渇、腹痛、下痢、消化不良
4. 消 化 器
0.1%未満
便秘
5. 過 敏 症注1)
頻度不明注3)
血管浮腫
6. 過 敏 症注1)
0.1~5%未満
そう痒
7. **過 敏 症注1)
0.1%未満
蕁麻疹、潮紅、発疹
8. 肝 臓注2)
0.1~5%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
9. 腎臓・泌尿器
頻度不明注3)
排尿困難
10. 腎臓・泌尿器
0.1%未満
頻尿
11. **循環器
0.1%未満
動悸、血圧上昇
12. **そ の 他
0.1%未満
呼吸困難、味覚異常、浮腫、胸痛、月経異常
その他の副作用の注意
注1)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注2)このような異常があらわれた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
注3)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。
高齢者への投与
高齢者では腎機能が低下していることが多く、腎臓からも排泄される本剤では血中濃度が上昇する場合があるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前から本剤の投与を中止すること。
過量投与
過量投与に関する報告は限られており、外国での過量服用症例報告には用量が不明な症例が多いが、最も高用量を服用した2例(1800~3600mg)では、症状はないかあるいはめまい、眠気及び口渇が報告されている。過量投与例においては、吸収されずに残っている薬物を通常の方法で除去すること及び、その後の処置は対症的、補助的療法を検討すること。なお、本剤は血液透析によって除去できない。
適用上の注意
1. アレグラ錠30mg、錠60mg
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
2. アレグラOD錠60mg
(1) 薬剤交付時
以下の点について、指導すること。
a.ブリスターシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
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