ある。
片側顔面痙攣
国内延べ13施設で総計97例について実施された臨床試験において、評価可能な94例の改善率は下記のとおりである。
痙性斜頸
国内延べ15施設で総計174例について実施された臨床試験において、評価可能な166例の改善率は下記のとおりである。
(参考:承認外の用量を含む)
改善度は、「著明改善」、「改善」、「やや改善」、「不変」、「増悪」の5段階で行った。
(表6参照)
なお、片側顔面痙攣における初回投与時の投与部位は下記のとおりである。
眼輪筋94/94例、皺眉筋11/94例、前頭筋6/94例、口輪筋25/94例、大頬骨筋67/94例、小頬骨筋13/94例、笑筋15/94例、オトガイ筋7/94例、広頸筋1/94例
また、痙性斜頸における初回投与時の投与部位は下記のとおりである。
胸鎖乳突筋120/166例、僧帽筋90/166例、板状筋118/166例、斜角筋9/166例、僧帽筋前縁16/166例、肩甲挙筋8/166例、傍脊柱筋3/166例、広頸筋5/166例
2. 上肢痙縮における臨床試験成績8)
国内19施設で脳卒中後の成人上肢痙縮患者109例について実施された第III相臨床試験の結果は下記のとおりである。
脳卒中後の成人上肢痙縮患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤※又はプラセボ(それぞれの用量に対応)を複数の緊張筋に投与したとき、主要評価項目である手関節のModified Ashworth Scale(MAS:筋痙縮の度合いを6段階で評価)の変化量に基づく時間曲線下面積(平均値±標準偏差)は、下表のとおりであり、本剤高用量群においてプラセボ群に対する統計学的な有意差が認められた(p<0.001、t検定)。
※本剤は高用量群と低用量群を設定し、それぞれ以下の用量を投与した。
本剤高用量群
母指関節に痙縮がない場合200単位、母指関節に痙縮がある場合240単位を投与
本剤低用量群
母指関節に痙縮がない場合120単位、母指関節に痙縮がある場合150単位を投与
(表7参照)
なお、各評価時期における手関節のMASの推移は下表のとおりであった。
(表8参照)
また、二重盲検期に引き続いて非盲検下で本剤※を反復投与したときの各投与回における手関節のMASの推移は下表のとおりであった。
※母指関節に痙縮がない場合200単位、母指関節に痙縮がある場合240単位投与
(表9参照)
3. 下肢痙縮における臨床試験成績9)
国内19施設で脳卒中後の成人下肢痙縮患者120例について実施された第III相臨床試験の結果は下記のとおりである。
脳卒中後の成人下肢痙縮患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤300単位又はプラセボを複数の緊張筋に投与したとき、主要評価項目である足関節のMASの変化量に基づく時間曲線下面積(平均値±標準偏差)は、本剤群-8.513±6.6904、プラセボ群-5.085±6.6496、本剤群とプラセボ群の平均値の差とその95%信頼区間は-3.428[-5.841,-1.016]であり、本剤群においてプラセボ群に対する統計学的な有意差が認められた(p=0.006、t検定)。
なお、各評価時期における足関節のMASの推移は下表のとおりであった。
(表10参照)
また、二重盲検期に引き続いて非盲検下で本剤300単位を反復投与したときの各投与回における足関節のMASの推移は下表のとおりであった。
(表11参照)
4. 小児脳性麻痺患者における臨床試験成績
2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足に対する臨床試験は国内において実施されていない。
5. 原発性腋窩多汗症における臨床試験成績
国内14施設で成人原発性腋窩多汗症患者152例について実施された第III相臨床試験の結果は下記のとおりである。
成人原発性腋窩多汗症患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、片腋窩あたり本剤50単位又はプラセボを複数の部位(10~15ヵ所)に皮内投与したとき、主要評価項目である投与4週後の重量測定法による発汗重量のレスポンダー率※は、下表のとおりであり、プラセボ群と比べ本剤群で統計学的に有意に高かった(p<0.001、Fisherの直接確率検定)。
※レスポンダー率:ベースラインと比較して両腋窩の平均発汗重量が50%以上減少している被験者の割合
(表12参照)
また、二重盲検期に引き続いて非盲検下で片腋窩あたり本剤50単位を投与したとき、投与4週後の重量測定法による発汗重量のレスポンダー率は、93.9%(93/99例)であった。
6. *斜視における臨床試験成績
国内13施設で12歳以上の水平斜視患者41例について実施された第III相臨床試験の結果は下記のとおりである。
12歳以上の小児及び成人水平斜視患者41例を対象とした、無治療対照評価者遮蔽比較試験において、初回投与量として1外眼筋あたり本剤1.25~5.0単位を投与した(無治療群は治験薬を投与せず経過観察)。主要評価項目である投与4週後の正面眼位における斜視角[遠見斜視角と近見斜視角の平均値(プリズムジオプトリー、以下PD)]のベースラインからの変化量は、下表のとおりであり、投与前の斜視角が20PD以上50PD未満の被験者層では無治療群と比べ本剤各群で統計学的に有意に減少した。投与前の斜視角が10PD以上20PD未満の被験者層では、本剤各群においてベースラインからの斜視角の減少がみられた。
(表13参照)
また、続けて1外眼筋あたり本剤1.25~5.0単位を投与したとき、非遮蔽下にて評価した投与4週後の正面眼位における斜視角のベースラインからの変化量は、投与前の斜視角が10PD以上20PD未満の被験者層で-5.40±4.814(5例)、20PD以上50PD未満の被験者層で-10.95±6.950(10例)であった。
表6
疾患名 |
改善率(改善以上) |
眼瞼痙攣 |
89.9%(71/79) |
片側顔面痙攣 |
74.5%(70/94) |
痙性斜頸 |
41.6%(69/166) |
表7
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本剤高用量群
(51例) |
プラセボ群
(26例) |
本剤低用量群
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