BOTOX for injection(Botulinum Toxin Type A)ボトックス注用50単位/ボトックス注用100単位 (四)
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内直筋 |
1.25~2.5注1又は2.5~5.0注2 |
1 |
外直筋 |
1.25~2.5注1又は2.5~5.0注2 |
1 |
上直筋 |
1.25~2.5注3 |
1 |
下直筋 |
1.25~2.5注3 |
1 |
注1:20プリズムジオプトリー未満の水平斜視
*注2:20~50プリズムジオプトリーの水平斜視
*注3:上下斜視
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
複数の適応に本剤を同時投与した場合の安全性は確立されていないため、複数の適応に本剤を同時に投与しないことが望ましい。やむを得ず同時に投与する場合には、それぞれの効能・効果で規定されている投与量の上限及び投与間隔を厳守するとともに、3ヵ月間のA型ボツリヌス毒素の累積投与量として360単位を上限とすること。[海外臨床試験において、成人を対象に上肢痙縮及び下肢痙縮に合計360単位を同時に投与した経験はあるが、国内臨床試験では、複数の適応に本剤を同時投与した経験はない。]
2.
本剤の力価(単位)は、A型ボツリヌス毒素製剤特有のもので、B型ボツリヌス毒素製剤とは異なること、また換算もできないことに留意し、必ず本剤の投与量を慎重に確認してから投与すること。
3.
本剤と他のボツリヌス毒素製剤の同時投与は原則として避けること。[本剤と他のボツリヌス毒素製剤を同時投与した経験はなく、安全性及び有効性は確立しておらず、同時に投与した場合には、神経筋接合部の麻痺等が増強し、呼吸困難、嚥下障害等の重篤な副作用が発現するおそれがある。](「相互作用」の項参照)
4.
他のボツリヌス毒素製剤を投与後に本剤を使用する場合には、少なくとも他のボツリヌス毒素製剤の用法・用量で規定されている投与間隔をあけるとともに、患者の症状を十分に観察した上で、効果が消失し、安全性上の問題がないと判断された場合にのみ投与すること。[他のボツリヌス毒素製剤の投与後に本剤を投与した場合の安全性及び有効性は確立されていない。先に投与された他のボツリヌス毒素の効果が消失する前に本剤を投与した場合には、神経筋接合部の麻痺等が増強し、呼吸困難、嚥下障害等の重篤な副作用が発現するおそれがある。](「相互作用」の項参照)
眼瞼痙攣
眼瞼下垂があらわれることがあるので、上眼瞼挙筋周囲への投与を避けること。
片側顔面痙攣
1)
片側顔面痙攣で痙攣筋の同定が困難な場合には、筋電計を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。
2)
片側顔面痙攣の患者には、筋ごとの適切な部位及び投与量に留意し、痙攣している筋肉内に注射する。[臨床成績等から、以下のような投与部位及び投与量が推奨されている。]
(表1参照)
痙性斜頸
1)
痙性斜頸で緊張筋が深部であるなど、触診で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。
2)
投与による効果が認められない場合は、用量及び投与部位について再検討した上で追加投与を行うこと。
3)
痙性斜頸では、本剤注射により投与筋の筋緊張が低下したのち、その協働筋側の緊張が亢進し、異常姿勢を来すことがあるため、初回投与以降では緊張が亢進している筋を注意深く同定し、投与すること。
4)
痙性斜頸では、初回及び初回後の追加投与を含む240単位までの投与により全く効果が認められない場合は、より高頻度・高投与量で投与を行っても効果が期待できない場合があるため、本剤の投与中止を考慮すること。
5)
痙性斜頸の患者には、筋ごとの適切な部位及び投与量に留意し、注射する。[臨床成績等から、以下のような投与部位及び投与量が推奨されている。]
(表2参照)
上肢痙縮
1)
上肢痙縮で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーター等を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。
2)
上肢痙縮患者には、筋ごとの適切な部位及び投与量に留意すること。[臨床成績等から、以下のような投与筋、投与量及び投与部位数が推奨されている。]
(表3参照)
下肢痙縮
1)
下肢痙縮で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーター等を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。
2)
下肢痙縮患者には、筋ごとの適切な部位及び投与量に留意すること。[臨床成績等から、以下のような投与筋、投与量及び投与部位数が推奨されている。]
(表4参照)
2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足
1)
小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーター等を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。
2)
小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足の患者には、筋ごとの適切な部位及び投与量に留意し、注射する。
(他の筋肉図については、下肢痙縮を参照)
重度の原発性腋窩多汗症
1)
投与前にMinor’sヨウ素デンプン反応等の染色法を使用して目標とする発汗部位を同定すること。
2)
原発性腋窩多汗症の患者には、注射針は針先端の斜め部分を上にして、皮膚表面に対し45°の角度で約2mmの深さへの皮内注射が推奨されている。また、効果のない部分を最小限にとどめるため、注射位置を下図のように等間隔でジグザグ状に配置することが推奨されている。
*斜視
1)
斜視で外眼筋に投与する際には、筋電計等の使用や外眼筋の外科的露出により、注意深く目標とする部位を同定すること。
2)
本剤投与前に点眼麻酔薬の投与が推奨されている。
3)
斜視で投与する際の薬液量は1つの筋あたり0.05~0.15mLが推奨されている。
4)
斜視患者には、筋ごとの適切な部位及び投与量に留意すること。[臨床成績等から、初回投与では以下のような投与筋、投与量及び投与部位数が推奨されている。]
(表5参照)
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
筋弛緩剤及び筋弛緩作用を有する薬剤を投与中の患者[筋弛緩作用が増強されることが、また、嚥下障害の発現が高まるおそれがある。](「相互作用」の項参照)
2.
慢性の呼吸器障害のある患者[本剤の投与により、病態を悪化させる可能性がある。]
3.
重篤な筋力低下あるいは萎縮がある患者[本剤の投与により、症状を悪化させる |