パンクロニウム臭化物
臨床症状・措置方法
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用が増強することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
機序・危険因子
ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、上記薬剤の神経・筋遮断作用が増強すると考えられている。
8. 薬剤名等
**降圧作用を有する他の薬剤
β-遮断剤、ニトログリセリン等
臨床症状・措置方法
降圧作用が増強するおそれがある。
降圧剤の用量調節等に注意すること。
機序・危険因子
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
9. 薬剤名等
*アリスキレンフマル酸塩
臨床症状・措置方法
*腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
機序・危険因子
*併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
10. 薬剤名等
**アンジオテンシン変換酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
**腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
機序・危険因子
**併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
11. 薬剤名等
ジギタリス剤
ジゴキシン、ジギトキシン
臨床症状・措置方法
ジギタリスの心臓に対する作用が増強し、不整脈等が起こることがある。血清カリウム値に十分注意すること。
機序・危険因子
ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
12. 薬剤名等
乳酸ナトリウム
臨床症状・措置方法
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症が増強することがある。
機序・危険因子
ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。
13. 薬剤名等
炭酸リチウム
臨床症状・措置方法
リチウム中毒が報告されているので、リチウムと併用する場合には、血中のリチウム濃度に注意すること。
機序・危険因子
腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
14. 薬剤名等
糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH
臨床症状・措置方法
低カリウム血症が発現することがある。
機序・危険因子
ヒドロクロロチアジド及び上記薬剤ともカリウム排泄作用を持つ。
15. 薬剤名等
グリチルリチン製剤
臨床症状・措置方法
血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
機序・危険因子
上記薬剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあり、ヒドロクロロチアジドとの併用により、低カリウム血症を増強させる可能性がある。
16. 薬剤名等
糖尿病用剤
SU剤、インスリン
臨床症状・措置方法
糖尿病用剤の作用が著しく減弱することがある。
機序・危険因子
機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により、膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。
17. 薬剤名等
コレスチラミン
臨床症状・措置方法
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
上記薬剤の吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。
18. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等
臨床症状・措置方法
降圧作用が減弱することがある。
機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX-2選択的阻害剤はプロスタグランジンの合成を阻害することから、血管拡張抑制等をきたし、降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている。
19. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等
臨床症状・措置方法
腎障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX-2選択的阻害剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までの本剤の試験では458例中92例(20.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
以下の副作用は上記の試験あるいはカンデサルタン シレキセチルあるいはヒドロクロロチアジドの自発報告等で認められたものである。このような副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
(いずれも頻度不明)
(1)
血管浮腫:顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)
ショック、失神、意識消失:ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中、利尿剤投与中あるいは心不全を合併する患者では、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
(3)
急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(4)
高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
(5