らわれることがある。(アモリンによる)
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[クラリスロマイシンでは、母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されている。
なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット(15~150mg/kg/日)及びCD-1系マウス(15~1,000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められた。また、サル(35~70mg/kg/日)において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9例中1例に低体重の胎児がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。
また、ランソプラゾールでは、動物試験(ラット)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている。4)また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている。5)
なお、ラットにランソプラゾール(50mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。]
2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[ランソプラゾールでは、動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。4)また、クラリスロマイシンでは、動物試験(ラット)の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
1.
投与時
健常人での薬物動態試験で天然ケイ酸アルミニウムと併用した場合、クラリスロマイシンの吸収が低下するとの報告がある。
2.
薬剤交付時
PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1. へリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意
ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
2. その他
ラットにアモキシシリン水和物(2,000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験、及びイヌにアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、ランソプラゾール(100mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
タケプロン
1)
類薬(オメプラゾール)で、視力障害が発現したとの報告がある。
2)
ラットに52週間強制経口投与した試験で、50mg/kg/日群(臨床用量の約100倍)において1例に良性の精巣間細胞腫が認められている。6)さらに、24ヵ月間強制経口投与した試験で、15mg/kg/日以上の群において良性の精巣間細胞腫の発生増加が、また、5mg/kg/日以上の群において胃のカルチノイド腫瘍が認められており、加えて、雌ラットの15mg/kg/日以上及び雄ラットの50mg/kg/日以上の群において網膜萎縮の発生頻度の増加が認められている。
精巣間細胞腫及び網膜萎縮については、マウスのがん原性試験、イヌ、サルの毒性試験では認められず、ラットに特有な変化と考えられる。
3)
タケプロンの投与が胃癌による症状を隠ぺいすることがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
4)
海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
5)
海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
薬物動態
1. 血中濃度
健康成人(6例)にランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)注8)及びクラリスロマイシンとして1回400mg(力価)の3剤を同時に経口投与した場合、ランソプラゾールの未変化体、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの血中濃度は図のとおりである。
3剤併用時の3剤各々の血中濃度は単独投与時の血中濃度とほぼ同様の推移を示す。
また、健康成人(7例)にランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)注8)及びクラリスロマイシンとして1回400mg(力価)の3剤を同時に1日2回7日間反復経口投与した時の薬物動態からみて、蓄積性に問題はないと考えられる。
2. 尿中排泄
健康成人(6例)に絶食下でランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)注8)及びクラリスロマイシンとして1回400mg(力価)の3剤を同時に経口投与した場合、尿中にランソプラゾールの未変化体は検出されず、全て代謝物であり、それらを合計した24時間排泄率は16.4%である。また、アモキシシリン水和物の24時間排泄率は35.8%であり、また、クラリスロマイシンの24時間排泄率は未変化体及び代謝物-V(14位水酸化体)の合計で41.9%である。
注8)ランサップの承認用法・用量と異なる。(【用法・用量】の項参照)
(参考)
クラリスロマイシン単独投与時の腎機能障害者及び高齢者における血中濃度
腎機能正常者と種々な程度の腎機能障害者及び重篤な基礎疾患のない66~82歳(平均72.2歳)の女性3名に200mg(力価)を空腹時単回経口投与したときのクラリスロマイシン(未変化体)の血中濃度パラメータは表のとおりである(測定法:Bioassay)。
臨床成績
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の患者を対象とした除菌の臨床試験(ランソプラゾール、ア