9.0、96.6、89.2及び87.6%であった。蛋白結合は20~2000ng/mLの範囲で線形であった(限外ろ過法)。
表-1 健康成人にデュタステリド0.5mgを単回経口投与したときの血清中デュタステリドの薬物動態パラメータ(外国人データ)
Cmax(pg/mL) |
AUC0-t(hr・pg/mL) |
Tmax(hr) |
3288.5±1160.89 |
52316.9±20525.60 |
1.500(0.75-6.00) |
平均値±標準偏差(n=33)、Tmax:中央値(範囲)
臨床成績
20歳から50歳の男性の男性型脱毛症患者を対象とした、国際共同試験及び国内臨床試験を実施した。各臨床試験の成績は以下のとおりであった。なお、51歳以上の有効性を検討した臨床試験は実施されていない。
(1) 第II/III相二重盲検比較試験4)(国際共同試験)
男性の男性型脱毛症患者(Norwood-Hamilton分類5)のIIIv、IV又はV:図-3)917例(日本人200例を含む)を対象とし、本剤(0.02、0.1及び0.5mg)を24週間投与した際のプラセボ及びフィナステリド1mgに対する有効性及び安全性を検討した。その結果、頭頂部円内(直径2.54cm円中)の毛髪数のベースラインからの変化において、本剤0.1及び0.5mgのプラセボに対する優越性及びフィナステリド1mgに対する非劣性が検証された(表-2)。
図-3 臨床試験の対象となった脱毛タイプ(Norwood-Hamilton分類)
(注)本剤の承認用量は1日1回0.1又は0.5mgである。
図-4 二重盲検比較試験:本剤(0.02、0.1及び0.5mg)の頭頂部円内(直径2.54cm円中)の毛髪数のベースラインからの変化量の推移
(2) 長期投与試験(国内臨床試験)
男性の男性型脱毛症患者(Norwood-Hamilton分類5)のIIIv、IV又はV:図-3)120例を対象とし、本剤0.5mgを52週間投与した際の安全性及び有効性を検討した。その結果、52週時の頭頂部円内(直径2.54cm円中)の毛髪数のベースラインからの変化量は、68.1本であり改善が示された。
表-2 二重盲検比較試験:男性型脱毛症の男性患者に本剤(0.02、0.1及び0.5mg)を投与したときの頭頂部円内(直径2.54cm円中)の毛髪数
プラセボ
(n=181) |
デュタステリド
0.02mg
(n=185) |
デュタステリド
0.1mg
(n=188) |
デュタステリド
0.5mg
(n=184) |
フィナステリド1mg
(n=179) |
24週時 |
|
|
|
|
|
n |
148 |
155 |
158 |
150 |
141 |
変化量(SE) |
-4.9
(7.89) |
17.1
(7.74) |
63.0
(7.67) |
89.6
(7.87) |
56.5
(8.12) |
プラセボとの差(p値)1) |
- |
22.0
(p=0.046) |
67.9
(p<0.001) |
94.4
(p<0.001) |
61.4
(p<0.001) |
フィナステリドとの差
[99.165%信頼区間]2)
(p値)1) |
- |
-39.4
[-66.1, -12.7]
(p<0.001) |
6.5
[-20.1, 33.1]
(p=0.56) |
33.0
[6.1, 60.0]
(p=0.003) |
- |
変化量、プラセボとの差及びフィナステリドとの差は、線形モデルに基づく調整済み平均値
1. 有意水準は両側0.0167
2. 24週時における99.165%の片側信頼区間の下限が、非劣性限界値-35より大きい場合非劣性が示せたとした
(注)本剤の承認用量は1日1回0.1又は0.5mgである。
薬効薬理
デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害する。ジヒドロテストステロンは男性型脱毛症に関与する主なアンドロゲンである。
(1) 5α還元酵素阻害作用6)
In vitroにおいて、ヒト1型及び2型5α還元酵素を阻害した。
(2) 血清中のジヒドロテストステロン濃度低下作用
男性の男性型脱毛症患者に本剤0.1及び0.5mgを1日1回24週間反復経口投与したとき、24週時の血清中ジヒドロテストステロン濃度はベースラインからそれぞれ83.6及び90.9%減少した。
(表-3参照)
(3) 頭皮中のジヒドロテストステロン濃度低下作用
男性の男性型脱毛症患者に本剤0.1及び0.5mgを1日1回反復経口投与したとき、投与6ヵ月のジヒドロテストステロン濃度はベースラインからそれぞれ血清中で65及び90%減少し、頭皮中で40及び52%減少した(調整済み平均値)。また、本剤投与による頭皮中ジヒドロテストステロン濃度の低下と発毛作用(毛髪数のベースラインからの増