て基準値と比較すること。また、PSA値は、本剤投与中止後6ヵ月以内に本剤投与開始前の値に戻る。なお、男性型脱毛症患者においても、臨床試験の結果から、本剤投与によりPSA値が減少すると推測される。
(4)
本剤投与中におけるPSA値の持続的増加に対しては、前立腺癌の発現や本剤の服薬不遵守を考慮に含め、注意して評価すること。
(5)
本剤投与中において、free/total PSA比は一定に維持されるので、前立腺癌のスクリーニングの目的で% free PSAを使用する場合には、測定値の調整は不要である。
相互作用
本剤は、主としてCYP3A4で代謝される(「薬物動態」の項参照)。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
CYP3A4による本剤の代謝が阻害される。
副作用
副作用等発現状況の概要
第II/III相国際共同試験において、本剤が投与された総症例557例(日本人120例を含む)中、95例(17.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、勃起不全24例(4.3%)、リビドー減退22例(3.9%)、精液量減少7例(1.3%)であった。日本人120例中、臨床検査値異常を含む副作用が報告された症例は14例(11.7%)であった。その主なものは、リビドー減退7例(5.8%)、勃起不全6例(5.0%)、射精障害2例(1.7%)であった。(承認時)
国内長期投与試験において、本剤が投与された総症例120例中20例(16.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、勃起不全13例(10.8%)、リビドー減退10例(8.3%)、射精障害5例(4.2%)であった(承認時)。
重大な副作用
**肝機能障害、黄疸
(頻度不明注1))
AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症
1%未満
発疹
2. 過敏症
頻度不明注1)
蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管浮腫
3. 精神神経系
1%未満
頭痛、抑うつ気分
4. 精神神経系
頻度不明注1)
浮動性めまい、味覚異常
5. 生殖系及び乳房障害
1%以上
性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)注2)
6. 生殖系及び乳房障害
1%未満
乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)
7. 生殖系及び乳房障害
頻度不明注1)
精巣痛、精巣腫脹
8. 皮膚
頻度不明注1)
脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症
9. 消化器
1%未満
腹部不快感
10. 消化器
頻度不明注1)
腹痛、下痢
11. その他
頻度不明注1)
けん怠感、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
注2)投与中止後も持続したとの報告がある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
女性には投与しないこと。[ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。]
2.
本剤が乳汁中に移行するかは不明である。
小児等への投与
小児等には投与しないこと。[小児等に対する適応はなく、安全性及び有効性は確立されていない。]
過量投与
徴候・症状
健康成人男性にデュタステリドを最大40mg1日1回7日間投与した臨床試験において、重大な安全性上の問題は認められなかった。また、前立腺肥大症患者にデュタステリド5mgを1日1回6ヵ月間投与した臨床試験で認められた副作用は、デュタステリド0.5mg投与時に認められたものと同様であった。
処置
デュタステリドに特有の解毒剤はない。過量投与の場合には、必要に応じて適切な支持療法を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
海外臨床試験において、18~52歳の健康成人(デュタステリド群:27例、プラセボ群:23例)を対象に、52週間の投与期間及び24週間の投与後追跡期間を通して、デュタステリド0.5mg/日の精液特性に対する影響を評価した。投与52週目における総精子数、精液量及び精子運動率の投与前値からの平均減少率(プラセボ群の投与前値からの変化で調整)は、それぞれ23、26及び18%であり、精子濃度及び精子形態への影響は認められなかった。デュタステリド群における総精子数の投与前値からの平均減少率は、24週間の追跡期間後においても23%のままであった。しかしながら、いずれの評価時期においても、全ての精液パラメータの平均値は正常範囲内であり、事前に規定した臨床的に重要な変動(30%)には至らなかった。また、デュタステリド群の2例において、投与52週目に投与前値から90%を超える精子数の減少が認められたが、追跡24週目には軽快した。デュタステリドの精液特性に及ぼす影響が、個々の患者の受胎能に対しどのような臨床的意義をもつかは不明である。
2.
アカゲザルの器官形成期にデュタステリドを2010ng/匹/日まで静脈内投与した結果、2010ng/匹/日群(デュタステリドを服用した男性の精液5mLを介して100%吸収されると仮定した場合に、体重50kgの女性が曝露される推定最大曝露量の186倍に相当する)の雌胎児1例に、本薬投与との関連性は不明であるが、卵巣・卵管の不均衡発達が認められた。
3.
ラットのがん原性試験において、高用量(臨床用量における曝露量の約141倍)投与時に精巣間細胞腫の増加がみられた。しかしながら、精巣間細胞腫及び過形成の発現に起因するラットの内分泌機構のヒトへの外挿性が低いことから、ヒトに精巣間細胞腫を発現させる危険性は低いと考えられている。なお、マウスのがん原性試験においては、デュタステリドに関連すると