る患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
2.
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
3.
本剤の投与によって、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
(1)
血液透析中の患者
(2)
利尿降圧剤投与中の患者
(3)
厳重な減塩療法中の患者
4.
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
5.
本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に重篤な肝機能障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
7.
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン、トリアムテレン等
カリウム補給剤
塩化カリウム等
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇することがある。
機序・危険因子
併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。
危険因子:腎機能障害のある患者
2. 薬剤名等
リチウム製剤
炭酸リチウム
臨床症状・措置方法
血中リチウム濃度が上昇し、リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。
機序・危険因子
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、本剤がナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
3. 薬剤名等
アリスキレンフマル酸塩
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
機序・危険因子
併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
4. 薬剤名等
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
機序・危険因子
併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
5. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
臨床症状・措置方法
降圧作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
6. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがある。
機序・危険因子
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
オルメテック錠承認時までの臨床試験において、総症例569例中65例(11.4%)に自他覚症状の副作用が認められた。臨床検査値異常変動の副作用は15.5%(87/563例)に認められた。〔承認時〕
オルメテック錠の使用成績調査6,327例中244例(3.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。〔再審査終了時〕
重大な副作用
1. 血管浮腫
頻度不明注1)
顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
2. 腎不全
0.1%未満
腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 高カリウム血症
頻度不明注1)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
4. ショック、失神、意識消失
ショック(頻度不明注1))、失神(頻度不明注1))、意識消失(頻度不明注1))
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
5. 肝機能障害、黄疸
肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明注1))
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 血小板減少
頻度不明注1)
血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 低血糖
頻度不明注1)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 横紋筋融解症
頻度不明注1)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋