がある。〕
3.
うっ血性心不全のある患者〔浸透圧利尿作用のため循環血液量が増大し、心臓に負担をかけることがある。〕
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時の臨床試験、市販後の副作用頻度調査及びメニエール病に関する効能追加時の臨床試験により報告された症例1,126例中、83例(7.4%)に88件の副作用が認められている。その主なものは嘔気16件(1.4%)、悪心13件(1.2%)、下痢13件(1.2%)、嘔吐11件(1.0%)等の消化器症状であった。(効能追加時)
重大な副作用
*ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下、動悸等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 消化器
0.1~5%未満
嘔気、悪心、下痢、嘔吐、食欲不振
2. 精神神経系
0.1~5%未満
不眠、頭痛
3. 過敏症
頻度不明
発疹、紅斑
その他の副作用の注意
長期連用:電解質異常(頻度不明)を起こすことがある。
このような副作用があらわれた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。発疹、紅斑の副作用については投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
薬物動態
健康成人男子3名に本剤30mLを単回投与し、イソソルビドの薬物動態を検討した。半減期(T1/2)は6.84±0.17時間、体内平均滞留時間(MRT)は10.68±0.80時間、分布容積(Vd)は0.66±0.03L/kgであった。また投与24時間後には投与量の約80%が未変化体で尿中に排泄された1)。
臨床成績
1.
国内の18施設で臨床試験を実施した。
(1)
脳腫瘍時の脳圧亢進に対して有効性が認められた2)。
(2)
頭部外傷に伴う脳圧亢進に対して有効性が認められた3)。
(3)
緑内障の眼圧亢進に対する有効率は、有効以上55.2%(80眼/145眼)、やや有効以上82.1%(119眼/145眼)であった4)。
(4)
腎・尿管結石時の利尿による症状の改善(結石の移動)に対する有効率は、有効以上51.2%(65/127)、やや有効以上63.8%(81/127)であった5)。
2.
国内の17施設で臨床試験(二重盲検及び一般臨床を含む)を実施した。
メニエール病に対する有用率は有用以上40.2%(86/214)、やや有用以上66.8%(143/214)であった7)8)。
薬効薬理
1. 利尿作用
イヌを用いた実験で、経口投与(1~2g/kg)後30分で尿量が増大した。イソソルビドは明らかな利尿作用を示す9)。
2. 脳圧降下作用
イヌを用いた実験で、経口投与(3g/kg)したところ脳脊髄圧は平均36%低下し、1~1.5時間後に最低値に達した。イソソルビドは頭蓋内圧降下作用を示す10)。
3. 眼圧降下作用
家兎を用いた実験で、経口投与(2g/kg)したところ眼圧は45分後に最低値に達した。イソソルビドは眼圧降下作用を示す11)。
4. 内リンパ圧降下作用
水腫モルモットを用いた実験で、頸静脈投与(1.6mL/kg(85w/v%))したところ内リンパ圧は5~10分でほぼ0に近い低下を示した。イソソルビドは内リンパ圧降下作用を示す12)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
イソソルビド(Isosorbide)
化学名
1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol
分子式
C6H10O4
分子量
146.14
構造式
性状
白色の結晶又は塊で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味は苦い。水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくい。吸湿性である。
取扱い上の注意
1.
本剤は保存条件により、多少色調の変化が見られることがあるが、品質、薬効には影響はない。
2.
500mL瓶を開封後は密栓し冷所に保存すること。
3.
分包品は服用直前まで開封しないこと。服用後の残液は廃棄し、保存しないこと。
包装
1.
イソバイドシロップ70%:500mL瓶
2.
イソバイドシロップ70%:500mL×6瓶
3.
イソバイドシロップ70%分包20mL:20mL×21包
4.
イソバイドシロップ70%分包23mL:23mL×30包
5.
イソバイドシロップ70%分包30mL:30mL×21包
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
脇屋義文他:病院薬学,22.145(1996)
2)
長谷川弘他:新潟医学会雑誌,82.11(1968)
3)
明石勝興他:新薬と臨床,17.887(1968)
4)
行徳勝明他:眼科臨床医報,62.25(1968)
5)
大北健逸他:診療と新薬,11.213(1974)
6)
山崎 勤他:耳鼻と臨床,27.559(1981)
7)
北原正章他:薬理と治療,14.1055(1986)
8)
北原正章他:薬理と治療,15.2975(1987)
9)
Shinaberger J.H.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.,158.460(1967)
10)
Wise B.L.et al.:J.Neurosurg.,25.183(1966)
11)
Becker B.et al.:Arch.Ophthalmol.,78.147(1967)
12)
松原 秀春:薬理と治療,13.5087(1985)
文献請求先
1
文献請求先
興和株式会社 医薬事業部 医薬学術部
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町3-4-14
2
製品情報お問い合わせ先
興和株式会社 医薬事業部 くすり相談センター
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