はβ遮断剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている.
薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある.
ジゴキシン中毒症状(悪心・嘔吐,頭痛,視覚異常,不整脈等)が認められた場合,症状に応じジゴキシンの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
機序は完全には解明されていないが,ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスが減少するためと考えられている.
薬剤名等
シメチジン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.
患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下や頻脈等の症状が認められた場合,本剤を減量又はシメチジンの投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
シメチジンが肝血流量を低下させ,本剤の肝ミクロソームでの酵素代謝を抑制する一方で,胃酸を低下させ,本剤の吸収を増加させるためと考えられている.
薬剤名等
ジルチアゼム
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.
患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量又はジルチアゼムの投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,ジルチアゼムが本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し,クリアランスを低下させるためと考えられている.
薬剤名等
トリアゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール,フルコナゾール等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.
患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下や浮腫等の症状が認められた場合,本剤を減量又はトリアゾール系抗真菌剤の投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,トリアゾール系抗真菌剤が本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し,クリアランスを低下させるためと考えられている.
薬剤名等
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
臨床症状・措置方法
本剤の有効血中濃度が得られず,作用が減弱することがある.
患者の状態を注意深く観察し,血圧上昇や狭心症発作の悪化等の症状が認められた場合,他剤への変更又はリファンピシン,フェニトイン,カルバマゼピンの投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
リファンピシン,フェニトイン,カルバマゼピンにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP-450)が本剤の代謝を促進し,クリアランスを上昇させるためと考えられている.
薬剤名等
タクロリムス
臨床症状・措置方法
タクロリムスの血中濃度が上昇することがある.
患者の状態を注意深く観察し,腎機能障害等の症状が認められた場合,タクロリムスの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,本剤がタクロリムスの肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し,クリアランスを低下させるためと考えられている.
薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
歯肉肥厚があらわれやすいとの報告がある.
患者の状態を注意深く観察し,歯肉肥厚が認められた場合,本剤又はシクロスポリンの投与を中止するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,両剤の相加的な作用によるものと考えられている.
薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
サキナビル,リトナビル等
臨床症状・措置方法
本剤のAUCが上昇することが予想される.
患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,本剤とこれらの薬剤の肝代謝酵素が同じ(CYP3A4)であるため,競合的に拮抗し,本剤の代謝が阻害される可能性があると考えられている.
薬剤名等
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されるおそれがある.
患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量するなど適切な処置を行う.
機序・危険因子
キヌプリスチン・ダルホプリスチンが,CYP3A4を阻害し,本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている.
薬剤名等
**硫酸マグネシウム水和物(注射剤)
臨床症状・措置方法
過度の血圧低下や神経筋伝達遮断の増強があらわれることがある.[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
機序・危険因子
併用により降圧作用や神経筋伝達遮断作用が増強されると考えられている.
薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.
患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合,本剤を減量するなど適切な処置を行う.またグレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意する.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,グレープフルーツジュースに含まれる成分が本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し,クリアランスを低下させるためと考えられている.
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及び使用成績調査での調査症例15,802例中809例(5.12%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ,主な副作用は顔面潮紅190件(1.20%),めまい110件(0.70%),頭痛105件(0.66%)等であった.(再審査終了時)
重大な副作用
次のような副作用があらわれることがある.このような副作用があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
1. 紅皮症(はく脱性皮膚炎)(0.1%未満)
2. 無顆粒球症,血小板減少(0.1%未満)
3. ショック(0.1%未満)
ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
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