2539;腹水の減少の場合」、「他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌の場合」についても少量投与から始め、患者の状態を観察しつつ漸増することが望ましい。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
心疾患・腎疾患のある患者[動物による毒性実験において、大量長期投与した場合に溶連菌感染症類似の所見(心障害、腎障害、アミロイドーシス等)がみられている。]
2.
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
3.
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
重要な基本的注意
1.
本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1)
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、本剤はベンジルペニシリンを含有しているので抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2)
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3)
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
(4)
休薬期間を置いた後、投与を再開する場合には少量から慎重に投与すること。
2.
本剤は培地に増殖不能の生菌で、全菌体を生体に連続して投与する薬剤であるので、副作用等に十分注意すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
悪性腫瘍
総症例26,027例中8,312例(31.9%)13,092件に副作用が認められた。主な副作用は、発熱6,019件(23.1%)、注射部位疼痛2,893件(11.1%)、注射部位発赤(硬結・腫脹を含む)1,198件(4.6%)、全身けん怠感848件(3.3%)、食欲不振789件(3.0%)等であった。(副作用頻度報告終了時:1982.3)
リンパ管腫
総症例352例中333例(94.6%)1,049件に副作用が認められた。主な副作用は、発熱303件(86.1%)、注射部位腫脹279件(79.3%)、注射部位発赤210件(59.7%)、CRP上昇80件(22.7%)、白血球増加64件(18.2%)、注射部位疼痛18件(5.1%)等であった。(再審査終了時:2008.10)
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
2. 間質性肺炎
間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
3. 急性腎不全
急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、クレアチニンの上昇、尿量の減少等が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行うこと。
1.過敏症注4)
頻度不明
紫斑
2.過敏症注4)
5%未満
そう痒感、発疹
3.局所反応
5%以上
腫脹注6)、発赤注7)、疼痛
4.局所反応
5%未満
硬結、熱感
5.血液
5%以上
白血球増加注8)
6.血液
5%未満
血小板増加、貧血
7.肝臓注5)
5%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al‐P上昇
8.消化器
5%未満
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢
9.腎臓
頻度不明
BUN上昇、クレアチニン上昇、尿量減少
10.腎臓
5%未満
蛋白尿
11.その他
5%以上
発熱注9)、CRP上昇注10)
12.その他
5%未満
全身けん怠、頭痛、CK(CPK)上昇、関節痛
その他の副作用の注意
注4)副作用があらわれた場合には投与を中止すること。
注5)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注6)79.3%(リンパ管腫)
注7)59.7%(リンパ管腫)
注8)18.2%(リンパ管腫)
注9)23.1%(悪性腫瘍)、86.1%(リンパ管腫)
注10)22.7%(リンパ管腫)
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
適用上の注意
1. 調製時
懸濁用溶解液は、ワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、カットすることが望ましい。
2. 投与時
(1)
筋肉内又は皮下投与により注射部位に疼痛、発赤、硬結をみることがある。繰り返し注射する場合には、同一部位の反復注射は避けること。
(2)
リンパ管腫への投与にあたっては下記の点に注意すること。
1)
腫脹等の局所反応、発熱、白血球増加等の発現が高頻度のため、投与後は患者状態を十分観察すること。
2)
投与後の腫脹により、投与部位(特に頸部)によっては気管圧迫、喘鳴の可能性があるため、投与量は必要最小限度にとどめ経過観察を十分行うこと。
3. 筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
(1)
神経走行部位を避けるよう注意すること。
(2)
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
(3)
乳幼小児に適用する場合は必要最小限度にとどめること。
その他の注意
本剤の局所又は漿膜腔内への大量投与により遅発性ショック(1~数時間後)があらわれたとの報告がある。
臨床成績
1. 化学療法との併用による生存期間の延長
(1) 胃癌(手術例)1)
非治癒切除胃癌46例を解析対象とした無作為比較試験で、化学療法と本剤筋肉内投与(0.2KEより開始し、4週間かけて2