臨床症状・措置方法
本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。
機序・危険因子
血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
総症例3,848例中副作用が報告されたのは168例(4.37%)であった。その主なものは、咳嗽(1.64%)、発疹(0.16%)、そう痒(0.16%)等であった。〔再審査終了時〕
重大な副作用
1. 血管浮腫
頻度不明
呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。このような場合には、気管の閉塞を起こしやすくなるので、直ちに投与を中止し、アドレナリンの皮下注射、気道確保など適切な処置を行うこと。また、腹痛を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
2. 汎血球減少、無顆粒球症
頻度不明
汎血球減少、無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
3. 急性腎不全、ネフローゼ症候群
頻度不明
急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
4. 高カリウム血症
頻度不明
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
5. 天疱瘡様症状
頻度不明
天疱瘡様症状があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. 狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、心停止
頻度不明
狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、心停止があらわれたとの報告がある。
7. *アナフィラキシー
頻度不明
アナフィラキシーがあらわれたとの報告がある。
8. 皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎
頻度不明
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎があらわれたとの報告がある。
9. 錯乱
頻度不明
錯乱があらわれたとの報告がある。
10. 膵炎
頻度不明
膵炎があらわれたとの報告がある。
その他の副作用
1. 血液注1)
0.1%未満
白血球減少
2. 血液注1)
頻度不明
貧血、好酸球増多、血小板減少
3. 腎臓
0.1~2%未満
BUN上昇、血清クレアチニン上昇
4. 腎臓
頻度不明
蛋白尿
5. 皮膚注2)
0.1~2%未満
発疹注3)、そう痒
6. 皮膚注2)
0.1%未満
蕁麻疹
7. 皮膚注2)
頻度不明
光線過敏症
8. 味覚注4)
0.1%未満
味覚の異常
9. 精神神経系
0.1%未満
頭痛、めまい、頭重感、眠気
10. 消化器
0.1%未満
悪心・嘔吐、胃部不快感、下痢
11. 消化器
頻度不明
食欲不振、腹痛
12. 肝臓注2)
0.1~2%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、ALP上昇
13. 肝臓注2)
0.1%未満
LDH上昇
14. 肝臓注2)
頻度不明
黄疸、肝障害
15. 循環器
0.1%未満
起立性低血圧、動悸、息切れ
16. 循環器
頻度不明
胸痛、胸部不快感、レイノー様症状
17. その他
0.1~2%未満
咳嗽
18. その他
0.1%未満
血清カリウム値の上昇、四肢のしびれ感、顔面潮紅
19. その他
頻度不明
脱力感、発熱、筋肉痛、口渇、口内炎、歯痛の増強、知覚異常、嗄声、クームス試験の陽性例、抗核抗体の陽性例、低血糖
その他の副作用の注意
注1)投与を中止すること。
注2)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注3)発熱、好酸球増多を伴う発疹を含む。
注4)減量又は投与を中止すること(通常、味覚の異常は可逆的である)
高齢者への投与
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。]
2.
妊娠中に本剤を投与された重症高血圧症の患者で、羊水過少症、また、その新生児に低血圧・腎不全等があらわれたとの報告がある。
3.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
臨床検査結果に及ぼす影響
尿中ケトン(アセトン)が偽陽性を呈することがある。
過量投与
1.
症例:
33歳の女性に対し、カプトプリル(推量500~750mg)、アルプラゾラム10mgを投与。投与6時間後のカプトプリル血漿中濃度は5,952μg/L。患者は、薬剤投与5時間後に入院し、その時低血圧になっていた(収縮期血圧80mmHg)。それから輸液とドパミンを30分以内、10μg/kg/minで点滴静注したところ血圧上昇。さらに、入院後18.5時間目と24.5時間目に2回低血圧を発現したが、ドパミ