マル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
5.
(1)
腎疾患の既往歴のある患者、腎障害のある患者では、本剤の投与により蛋白尿があらわれやすいので、腎機能、尿所見に留意し、定期的に検査を行うこと。
(2)
持続的な蛋白尿の増加傾向が認められる場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.
腎障害のある患者に投与する場合には低用量より開始するなど特に注意すること。
7.
(1)
腎障害のある患者、重篤な自己免疫疾患(特に全身性エリテマトーデス)又は免疫抑制剤の投与を受けている患者では、好中球減少、無顆粒球症があらわれやすいので、血液像に留意して、定期的に検査を行うこと。
(2)
白血球数の急激な減少あるいは4,000/mm3未満となった場合には、白血球分画を含む経過観察を十分に行い、3,000/mm3未満を示す場合には投与を中止すること。
8.
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
9.
血圧低下に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者で高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に注意させること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
リポソーバー、イムソーバTR、セルソーバ
臨床症状・措置方法
ショックを起こすことがある。
機序・危険因子
陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートによりブラジキニンの産生が刺激される。さらに本剤が、ブラジキニンの代謝を抑制するため、ブラジキニンの血中濃度が上昇し、ショックを誘発すると考えられている。
2.
薬剤名等
*アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた透析
臨床症状・措置方法
アナフィラキシーを発現することがある。
機序・危険因子
陰性に荷電したAN69によりブラジキニンの産生が刺激される。さらに本剤が、ブラジキニンの代謝を抑制するため、ブラジキニンの血中濃度が上昇し、アナフィラキシーを誘発すると考えられている。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン、トリアムテレン等
カリウム補給剤
塩化カリウム等
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値に注意すること。
機序・危険因子
機序:本剤はアンジオテンシンII産生を抑制し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させる。
危険因子:腎障害のある患者
2. 薬剤名等
利尿降圧剤
トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
臨床症状・措置方法
本剤初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、投与は少量より開始すること。
機序・危険因子
利尿降圧剤によるナトリウム排泄によって、レニン-アンジオテンシン系が亢進されているため、本剤によりアンジオテンシンIIの産生が抑制されると、降圧作用が増強されると考えられている。
3. 薬剤名等
アロプリノール
臨床症状・措置方法
過敏症状(Stevens-Johnson症候群、関節痛等)が発現したとの報告がある。患者の状態を注意深く観察し、発熱を伴う発疹等の過敏症状が発現した場合には直ちに両剤の投与を中止すること。
機序・危険因子
機序不明。
危険因子:腎障害のある患者
4. 薬剤名等
リチウム製剤
炭酸リチウム
臨床症状・措置方法
併用によりリチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中のリチウム濃度に注意すること。
機序・危険因子
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、本剤がナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
5. 薬剤名等
アドレナリン作動性ニューロン遮断薬
グアネチジン硫酸塩
臨床症状・措置方法
降圧作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
両剤の降圧作用による。
6. 薬剤名等
ニトログリセリン
臨床症状・措置方法
降圧作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
両剤の降圧作用による。
7. 薬剤名等
*アリスキレンフマル酸塩
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
機序・危険因子
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
8. 薬剤名等
**アンジオテンシンII受容体拮抗剤
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
機序・危険因子
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
9. 薬剤名等
*非ステロイド性消炎鎮痛剤
臨床症状・措置方法
降圧作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
10. 薬剤名等
*非ステロイド性消炎鎮痛剤
臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがある。
機序・危険因子
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
11. 薬剤名等
カリジノゲナーゼ製剤