;危険因子
レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。
薬剤名等
H2受容体拮抗剤
ファモチジン等
臨床症状・措置方法
レジパスビルの血漿中濃度が低下し、レジパスビルの効果が減弱するおそれがある。本剤と併用する場合は、H2受容体拮抗剤を本剤と同時に投与又は本剤投与と12時間の間隔をあけて投与すること(【薬物動態】の項参照)。
機序・危険因子
レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。
薬剤名等
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール等
臨床症状・措置方法
レジパスビルの血漿中濃度が低下し、レジパスビルの効果が減弱するおそれがあるため、本剤投与前にプロトンポンプ阻害剤を投与しないこと。本剤と併用する場合は、プロトンポンプ阻害剤を空腹時に本剤と同時投与すること(【薬物動態】の項参照)。
機序・危険因子
レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。
薬剤名等
アミオダロン
臨床症状・措置方法
徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあることから、やむを得ず本剤とアミオダロンを併用する場合は、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。
機序・危険因子
機序は不明である。
薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。本剤と併用する場合は、ジゴキシンの血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
レジパスビルの腸管でのP-gpの阻害作用により、ジゴキシンのバイオアベイラビリティが増加する。
薬剤名等
リファブチン
臨床症状・措置方法
レジパスビル及びソホスブビルの血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
これら薬剤のP-gpの誘導作用により、レジパスビル及びソホスブビルの消化管における吸収が低下する可能性がある。
薬剤名等
フェノバルビタール
臨床症状・措置方法
レジパスビル及びソホスブビルの血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
これら薬剤のP-gpの誘導作用により、レジパスビル及びソホスブビルの消化管における吸収が低下する可能性がある。
薬剤名等
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤
臨床症状・措置方法
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤と本剤との併用により、テノホビルの血漿中濃度が上昇する(【薬物動態】の項参照)。
機序・危険因子
作用機序は不明であるが、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩が基質となるP-gp及びBCRPに対するレジパスビルの阻害作用が関与すると考えられる。
薬剤名等
ロスバスタチン
臨床症状・措置方法
ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇し、横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある。
機序・危険因子
レジパスビルのBCRP阻害作用により、ロスバスタチンのバイオアベイラビリティが増加する。
副作用
副作用等発現状況の概要
ジェノタイプ1のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象に本剤の単独投与における有効性及び安全性を評価した国内第3相臨床試験において、157例中34例(21.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、そう痒症5例(3.2%)、悪心及び口内炎各4例(2.5%)等であった。(承認時)
以下のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
器官分類
血液・リンパ系
5%未満
貧血
器官分類
神経系
5%未満
頭痛
器官分類
消化器
5%未満
悪心、便秘、口内炎、腹部不快感
器官分類
皮膚及び皮下組織
5%未満
そう痒症、発疹
器官分類
その他
頻度不明注)
疲労
注)発現頻度は、国内臨床試験成績に基づき算出した。海外の臨床試験においてのみ報告された副作用は頻度不明とした。(承認時までのデータ)
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、レジパスビルの乳汁中への移行が示唆されており1)、ソホスブビルの主要代謝物であるGS-331007の乳汁中への移行が認められている2)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状:健康成人にレジパスビル120mgを1日2回10日間投与(59例)又はソホスブビル1200mgを単回投与(59例)したときの有害事象の発現頻度及び重症度は、プラセボ投与時に報告されたものと同様であり、これら過量投与による有害な作用は確認されていない3, 4)。
処置:本剤の過量投与に対する特別な解毒剤はない。過量投与の場合には、バイタルサインのモニタリングや患者の臨床状態の観察等の一般的な支持療法を考慮すること。レジパスビルは血漿蛋白との結合率が高いため血液透析により除去できる可能性は低いが、循環血液中のソホスブビルの主要代謝物であるGS-331007は、血液透析により53%が除去される(ソホスブビル400mgを投与した場合、4時間の血液透析により投与量換算で約18%)5)(【薬物動態】の項参照)。
薬物動態
本剤の有効成分であるレジパスビルは、経口投与後、その大部分は未変化体として血中に存在する。もう一方の有効成分、ソホスブビルは経口投与後、速やかに代謝を受け、血中で約85%が主要代謝物GS-331007として存在する。ヌクレオチドプロドラッグであるソホスブビルは肝細胞内で活性代謝物に代謝されることが示されており、ヒトの血中からは活性