合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
(頻度不明注2))
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
低カルシウム血症
他のビスホスホネート系薬剤において痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
1. 消化器
1~5%未満
胃炎
2. 消化器
1%未満
胃不快感、下痢、逆流性食道炎、便秘、食欲不振
3. 精神神経系
1~5%未満
頭痛
4. 精神神経系
1%未満
感覚異常、めまい
5. 肝臓
1%未満
肝機能異常[AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ALP上昇等]
6. 皮膚
1%未満
発疹、蕁麻疹
7. 眼
頻度不明注2)
ぶどう膜炎、強膜炎、上強膜炎
8. 眼
1%未満
結膜炎
9. 筋・骨格系
1~5%未満
背部痛、筋肉痛、関節痛、骨痛
10. 筋・骨格系
1%未満
関節炎、筋骨格硬直、四肢痛
11. その他
頻度不明注2)
喘息増悪
12. その他
1~5%未満
けん怠感、注射部位反応(腫脹、疼痛、紅斑等)、インフルエンザ様症状注3)
13. その他
1%未満
疼痛、ほてり(熱感等)、高血圧、発熱、胸痛、尿検査異常(尿中血陽性等)、浮腫(末梢、顔面等)、上気道感染(鼻咽頭炎等)、貧血
注2)海外の自発報告にて報告された副作用については頻度不明とした。
注3)主に初回投与時に、投与3日以内に発現し7日以内に回復する一過性の急性期反応と呼ばれる症状(背部痛、筋肉痛、関節痛、骨痛、頭痛、けん怠感等)を発現することがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。[他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡等がみられている。]
2.
ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある婦人へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤における使用経験はない。[全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。]
3.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を中止させること。[母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
1. 徴候・症状
低カルシウム血症、低リン酸血症、低マグネシウム血症が発現する可能性がある。
2. 処置
必要に応じ、カルシウム、リン酸、マグネシウムを含有する製剤の静脈内投与を行う。
適用上の注意
投与時
(1)
本剤は静脈内注射にのみ使用すること。[静脈内投与以外の経路から投与すると組織障害を起こすおそれがある。]
(2)
カルシウム又はマグネシウムイオンと結合して錯体を形成することがあるので、カルシウム又はマグネシウムを含有する溶液と混合しないこと。
(3)
注射筒先端のゴムキャップを外した後は速やかに使用し、使用後は廃棄すること。
その他の注意
1.
男性患者に対する使用経験は少ない(【臨床成績】の項参照)。
2.
若齢イヌ(6カ月間静脈内投与毒性試験及び1年間経口投与毒性試験)において、骨端成長帯に骨基質の壊死が認められた1,2)。イヌ6カ月間静脈内投与毒性試験ではイバンドロン酸として0.3mg/kg(月2回)の用量まで骨基質の壊死は認められず、当該用量(無毒性量)における曝露量(AUC0-24h)は、ヒトにイバンドロン酸として1mg(月1回)を静脈内投与した際の曝露量の約5.6倍に相当した。なお、骨基質の壊死は、骨端線閉鎖した成熟動物には認められなかった。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与3)
健康成人男性にイバンドロン酸として0.125、0.25又は0.5mgを単回静脈内投与注4)したときの血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであり、血中濃度-時間曲線下面積(AUCinf)は投与量に比例して増加し、血中半減期(t1/2)、全身クリアランス(CLtot)及び腎クリアランス(CLr)は投与量に依存せずほぼ一定であった。
健康成人男性に単回静脈内投与したときの血清中未変化体濃度推移(平均値,N=8)
(表1)
(2) 反復投与4)
閉経後骨減少女性にイバンドロン酸として0.25、0.5、1又は2mgを13週間隔で2回静脈内投与注4)したときの血清中未変化体濃度推移及び初回投与時の薬物動態パラメータは下記のとおりであった。血清中未変化体濃度推移は初回投与と2回目投与で同様であり、AUCinfは投与量に比例して増加し、t1/2、CLtot及びCLrは投与量に依存せずほぼ一定であった。
閉経後骨減少女性に反復静脈内投与したときの血清中未変化体濃度推移(平均値,N=10)
(表2)
2. 代謝
イバンドロン酸ナトリウム水和物をヒト肝ミクロソーム中でインキュベートした場合、代謝物の生成は認められなかった(in vitro)5)。
イバンドロン酸ナトリウム水和物はヒト肝ミクロソームの7種類のCYP酵素分子種(CYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4)に対して阻害作用を示さなかった(in vitro)6)。
3. 排泄4)
閉経後骨減少女性にイバンドロン酸として0.25、0.5、1又は2mgを静脈内投与注4)したとき、72時間までの尿中未変化体排泄率は47.0~64.6%であった。
4. 蛋白結合率7)
ヒト血清蛋白結合率は、イバンドロン酸濃度