において認められた副作用
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊娠中の投与に関する安全性は確立されていないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用すること。
2.
乳汁中への移行については不明であるため、授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1. 注射時の注意
(1)
開封後は速やかに使用し、使用後は残液を廃棄すること。
(2)
本剤の投与にあたっては18~23ゲージの適切な注射針を使用すること。
(3)
疼痛の軽減が認められない場合は、使用を中止すること。
2. その他
(1)
関節内投与後は、長時間体重負荷のかかる活動や激しい運動を避けること。
(2)
関節外、滑膜組織内及び関節包内に本剤を投与しないこと。
(3)
本剤を血管内へ投与しないこと。
(4)
投与の際、殺菌消毒剤(ベンザルコニウム塩化物等の第4級アンモニウム塩及びクロルヘキシジン)により、沈殿を生じることがあるので十分注意すること。
薬物動態
(参考)動物におけるデータ
(1) 膝関節内投与
本剤標識化合物をウサギ膝関節内に単回注入後、関節組織への分布を検討した結果、28日間以上関節腔内に滞留することが認められた。関節内組織以外への分布は認められなかった1)。
(2) 静脈内投与
可溶化したヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体の標識化合物をラットに静脈内投与後の動態を検討した結果、投与後1時間以内に尿中に約75%が排泄された2)。
臨床成績
海外で実施された臨床試験
(1)
他の保存療法及び薬物療法が無効で日常的に疼痛を有する変形性膝関節症患者110例を対象とし、生理食塩液投与を対照群として、無作為比較試験を実施した。12週目及び26週目の体重負荷時痛、夜間痛、膝の運動の改善及び活動性の低下の評価において、本剤投与群は対照群より有意な疼痛の改善を示した(p<0.05)。12週目及び26週目の無症状患者の割合は、本剤投与群の方が対照群より高かった(p<0.05)3)。
(2)
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)によって疼痛の軽減の得られなかった変形性膝関節症患者102例を対象とし、本剤単独群、本剤とNSAID併用群、及びNSAID単独群の3群で比較検討した26週間の無作為比較臨床試験において、本剤単独群は、疼痛の程度が治療前よりも有意に改善し(p<0.05)、NSAID単独群と同様であった4)。
薬効薬理
疼痛軽減作用
(1)
ネコの正常膝関節及び炎症膝関節において、痛覚受容求心神経線維からの神経応答が低下し、疼痛軽減作用が認められた5)。
(2)
ラットの正常膝関節及び炎症膝関節において、疼痛誘発性神経活動を低減し疼痛軽減作用が認められた6)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー(Sodium Hyaluronate Crosslinked Polymer)
本 質
本品は、健康なニワトリのトサカ由来のヒアルロン酸誘導体(分子量:約6,000,000)で、ヒアルロン酸及びタンパク質がホルムアルデヒド処理により架橋されている。
一般名
ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体(Sodium Hyaluronate Crosslinked Polymer Crosslinked with vinylsulfone)
本 質
本品は、ヒアルロン酸誘導体(分子量:6,000,000以上)で、ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマーがジビニルスルホン処理により架橋されている。
取扱い上の注意
1.
再滅菌して使用しないこと。
2.
使用前に本剤の包装が開封されたり、破損している際は使用しないこと。
包装
サイビスクディスポ関節注2mL:1シリンジ
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:薬物動態(ウサギ膝関節内投与), 1994
2)
社内資料:薬物動態(ラット静脈内投与), 1994
3)
Wobig M. et al. : Clin. Ther., 1998, 20(3), 410-423
4)
Adams M.E. et al. : Osteoarthritis Cartilage, 1995, 3(4), 213-225
5)
Pozo M.A. et al. : Exp Brain Res., 1997, 116, 3-9
6)
Gomis A. et al. : Arthritis Rheum., 2004, 50(1), 314-326
文献請求先
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