投与に比べてシロスタゾールのCmaxは94%、AUCは129%増加した18)。(但し、アゾール系抗真菌剤であるケトコナゾールの経口剤は日本では承認されていない。)
シロスタゾール100mgとジルチアゼム塩酸塩180mgを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは34%、AUCは44%増加した19)。
シロスタゾール100mgとグレープフルーツジュース240mLを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは46%、AUCは14%増加した18)。
オメプラゾール40mgを1日1回7日間前投与後、シロスタゾール100mgとオメプラゾール40mgを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは18%、AUCは26%増加した20)。
薬物動態の表
※表1 シロスタゾール100mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
剤形 |
tmax
(hr) |
Cmax
(ng/mL) |
t1/2
(hr) |
AUC60hr
(ng・hr/mL) |
散剤(水なし) |
3.13±0.92 |
734.8±198.9 |
12.75±6.76 |
8,932.8±2,195.0 |
散剤(水あり) |
2.87±1.02 |
710.8±178.7 |
12.94±8.15 |
8,369.1±1,985.4 |
錠剤 |
3.10±1.04 |
708.3±219.0 |
10.95±6.20 |
9,755.0±2,681.7 |
(平均値±標準偏差、n=31)
臨床成績
プレタール錠の成績を以下に示す。
(1) ※慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善
慢性動脈閉塞症患者226例について実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験において、四肢の末梢血流障害による潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性症状に対する全般改善度は、改善以上66.1%(119/180例)、やや改善以上85.0%(153/180例)であった21)。
(2) ※脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制
・脳梗塞患者1,034例について実施されたプラセボを対照とする二重盲検比較試験において、脳梗塞の年間再発率はプラセボ5.75%(総観察期間[人×年]:973.7、脳梗塞再発例数:56)に対し、本剤3.43%(総観察期間[人×年]:873.8、脳梗塞再発例数:30)であり、本剤は脳梗塞再発のリスクを40.3%軽減させた。なお、二次評価項目である投薬期間における「理由を問わない死亡」では、本剤群及びプラセボ群の年間死亡率推定値は、それぞれ0.92%及び0.82%であり、年間死亡率の推定値に有意差は認められなかった。また、本試験において投薬期間中に狭心症を発症した症例は、プラセボ群(0/518例)に対し本剤群(6/516例)で多く認められた22)。
・脳梗塞患者(心原性脳塞栓症を除く)2,672例について実施されたアスピリンを対照とする二重盲検比較市販後臨床試験において、主要評価項目である脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)の年間発症率は、アスピリン3.71%(総観察期間[人×年]:3,203.6、発症例数:119)に対し、本剤2.76%(総観察期間[人×年]:2,965.9、発症例数:82)であり、アスピリンに対する本剤の非劣性が検証された(アスピリンに対する本剤のハザード比:0.743(95%信頼区間:0.564~0.981)、非劣性の許容限界値はハザード比1.33)。副次的評価項目のアスピリンに対する本剤のハザード比は、脳梗塞の再発で0.880(95%信頼区間:0.645~1.200)、虚血性脳血管障害(脳梗塞、TIA)の発症で0.898(95%信頼区間:0.675~1.194)、全死亡で1.072(95%信頼区間:0.497~2.313)、脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)、TIA、狭心症、心筋梗塞、心不全または入院を要する出血の発症で0.799(95%信頼区間:0.643~0.994)であった23)。
薬効薬理
1. 抗血小板作用
(1) In vitro
・ヒト血小板において、ADP、コラーゲン、アラキドン酸、アドレナリン24)、トロンビンによる血小板凝集を抑制する。また、ずり応力によって誘発される血小板凝集を抑制する25)。
・ヒト血小板において、ADP、アドレナリンによる血小板の一次凝集をも抑制し、また、凝集惹起物質により一旦凝集した血小板凝集塊を解離させる24)。
・ヒト血小板において、トロンボキサンA2産生を抑制する26)。
ヒト血小板の血液凝固促進活性を抑制する27)。
(2) In vivo
・ビーグル犬24)及びブタ28)への経口投与で、ADP、コラーゲンによる血小板凝集を抑制する。
・ラットへの連続経口投与で、ADPによる血小板凝集に対する抑制作用は減弱しない。
・慢性動脈閉塞症患者及び脳梗塞患者への経口投与で、ADP、コラーゲン、アラキドン酸、アドレナリンによる血小板凝集を抑制する29,30)。
・ヒトにおける血小板凝集抑制効果は投与後速やかに発現し、反復投与によってもその効果は減弱しない30)。
・本剤の投与中止により、抑制された血小板凝集能は本剤の血漿中濃度の減衰とともに48時間後には投与前値に復し、リバウンド現象(凝集亢進)も認められていない30)。
2. 抗血栓作用
・マウスにADP、コラーゲンを静脈内投与することにより誘発される肺塞栓致死を抑制する24)。
・イヌの大腿動脈にラウリン酸ナトリウムを投与するこ