9;措置方法
本剤及びHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用した場合CK(CPK)が上昇する可能性があることから、本剤投与中はこれらの薬剤の休薬を考慮すること。〔「重要な基本的注意」の項参照〕
機序・危険因子
機序不明
副作用
国内で実施した実薬対照試験において、安全性解析対象例99例中11例(11.1%)に副作用が認められ、16例(16.2%)に臨床検査値の副作用が認められた。主なものはAST(GOT)上昇7例(7.1%)、ALT(GPT)上昇7例(7.1%)、湿疹2例(2.0%)、発熱2例(2.0%)、下痢2例(2.0%)、血小板数減少2例(2.0%)、Al-P上昇2例(2.0%)、CK(CPK)上昇2例(2.0%)、好酸球数増加2例(2.0%)であった。
外国で実施した菌血症及び感染性心内膜炎を対象にした実薬対照比較試験において、安全性解析対象例120例中42例(35.0%)に副作用が認められ、主なものは、CK(CPK)上昇6例(5.0%)、軟便4例(3.3%)、消化不良3例(2.5%)、発疹3例(2.5%)、血中リン増加3例(2.5%)であった。
外国で実施した複雑性皮膚・軟部組織感染症を対象にした2つの実薬対照比較試験及び1つの薬物動態試験において、安全性解析対象例550例中99例(18.0%)に副作用が認められ、主なものは、悪心13例(2.4%)、CK(CPK)上昇12例(2.2%)、嘔吐10例(1.8%)、下痢9例(1.6%)、便秘7例(1.3%)、皮膚炎7例(1.3%)であった。
重大な副作用
1. **ショック・アナフィラキシー
(1.0%)
ショック・アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 横紋筋融解症
(頻度不明)注1)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)値上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3. 好酸球性肺炎
(頻度不明)注1)
本剤投与2~4週後、発熱、低酸素血症性呼吸困難、びまん性肺浸潤を伴う好酸球性肺炎が報告されている。これらの症状や徴候があらわれた場合には、投与を中止し、全身ステロイド療法等の適切な処置を行うこと。
4. 末梢性ニューロパシー
(頻度不明)注1)
末梢性ニューロパシーがあらわれることがあるので、本剤投与中は末梢性ニューロパシーの徴候及び症状に注意し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 腎不全
(頻度不明)注1)
腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. 偽膜性大腸炎
(頻度不明)注1)
偽膜性大腸炎は、ダプトマイシンを含むほぼすべての抗菌薬の使用により報告されている。偽膜性大腸炎が疑われたり、確定診断がなされた場合には、本剤の投与中止又は適切な処置を考慮すること。
重大な副作用の注意
注1)外国において認められている。
その他の副作用
1. 感染症及び寄生虫症
(頻度不明注1))
尿路感染、真菌感染、カンジダ感染、真菌血症
2. 血液及びリンパ系障害
(頻度不明注1))
貧血注2)、血小板増加症、好酸球増加症
3. 代謝及び栄養障害
(頻度不明注1))
高血糖、電解質失調、食欲減退
4. 精神障害
(頻度不明注1))
不安、不眠症
5. 神経系障害
(頻度不明注1))
浮動性めまい、頭痛、錯感覚、振戦、味覚異常
6. 耳及び迷路障害
(頻度不明注1))
回転性めまい
7. 心臓障害
(頻度不明注1))
上室性不整脈
8. 血管障害
(頻度不明注1))
高血圧、低血圧、潮紅
9. 胃腸障害
(2~10%)
下痢
10. 胃腸障害
(頻度不明注1))
消化器痛/腹痛、嘔吐、鼓腸/腹部膨満感/腹部膨満、便秘、悪心、消化不良
11. 肝胆道系障害
(頻度不明注1))
黄疸
12. 皮膚及び皮下組織障害
(2~10%)
湿疹
13. 皮膚及び皮下組織障害
(頻度不明注1))
そう痒症、発疹、蕁麻疹注2)、小水疱水疱性皮疹(粘膜性又は非粘膜性)
14. 筋骨格系及び結合組織障害
(頻度不明注1))
四肢痛、筋力低下、筋肉痛、関節痛
15. 腎及び尿路障害
(頻度不明注1))
腎障害
16. 生殖系及び乳房障害
(頻度不明注1))
腟炎
17. 全身障害及び投与局所様態
(2~10%)
発熱
18. 全身障害及び投与局所様態
(頻度不明注1))
無力症、注射部位反応、悪寒、疲労、血管性浮腫
19. 臨床検査
(2~10%)
肝機能検査異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇)、血小板数減少、CK(CPK)上昇、好酸球数増加
20. 臨床検査
(頻度不明注1))
血中クレアチニン上昇、INR増加、LDH上昇注2)、プロトロンビン時間延長、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇
その他の副作用の注意
上のような症状又は異常があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
注1)外国において認められている。
注2)国内においても認められている(1.0%)。
高齢者への投与
高齢者では一般的に生理機能が低下しているので注意すること。CLCR≧30mL/minの高齢者では用量調節は必要ない。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠ラットにおいて、ダプトマイシンは胎盤を通過することが認められている。〕
2.
授乳中の婦人にやむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。〔症例報告にて、ヒト母乳中へダプトマイシンが低濃度(0.045μg/mL、乳汁中濃度/血漿中濃度比:0.12%)で移行することが報告された。1)〕
小児等への投与
1.
小児等に対する安全性