、逆流性食道炎
承認時までの試験で1日1回ボノプラザンとして10mg又は20mgを投与された2,271例中186例(8.2%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用は便秘(0.7%)であった。
低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
承認時までの試験で1日1回ボノプラザンとして10mg又は20mgを投与された431例中73例(16.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用は便秘(1.9%)であった。
非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
承認時までの試験で1日1回ボノプラザンとして10mg又は20mgを投与された460例中78例(17.0%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用は便秘(1.5%)であった。
胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
ボノプラザンフマル酸塩、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与については、承認時までの試験で329例中67例(20.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用は下痢(10.6%)であった。ボノプラザンフマル酸塩、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの3剤投与については、承認時までの試験で50例中8例(16.0%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
ボノプラザンフマル酸塩、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン又はメトロニダゾールの3剤投与については、臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。
重大な副作用
ヘリコバクター・ピロリの除菌に用いるアモキシシリン水和物、クラリスロマイシンでは、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合
消化器
0.1~5%未満
便秘、下痢、腹部膨満感、悪心
過敏症注2)
0.1~5%未満
発疹
肝臓注3)
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇
その他
0.1~5%未満
浮腫、好酸球増多
ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合
消化器
5%以上
下痢(10.6%)
消化器
0.1~5%未満
味覚異常、口内炎、腹部不快感、腹部膨満感
過敏症注2)
0.1~5%未満
発疹
肝臓注3)
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
その他の副作用の注意
ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合の頻度表示は胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるボノプラザンフマル酸塩、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与の試験成績に基づく。
注2)このような場合には投与を中止すること。
注3)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では肝機能、腎機能等の生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[動物試験(ラット)において、最大臨床用量(40mg/日)におけるボノプラザンの曝露量(AUC)の約28倍を超える曝露量で、胎児体重及び胎盤重量の低値、外表異常(肛門狭窄及び尾の異常)、並びに内臓異常(膜性部心室中隔欠損及び鎖骨下動脈起始異常)が認められている。]
2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
マウス及びラット2年間経口投与がん原性試験において、臨床用量(20mg/日)におけるボノプラザンの曝露量(AUC)と等倍程度の曝露量で胃の神経内分泌腫瘍が、約300倍で胃の腺腫(マウス)が、また、約13倍以上(マウス)及び約58倍以上(ラット)で肝臓腫瘍が認められている。
2.
本剤の長期投与中に良性の胃ポリープを認めたとの報告がある。
3.
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
4.
海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
5.
海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
薬物動態
1. 単回投与時の薬物動態1)
健康成人男子を対象に20mgを絶食下及び食後に単回投与した時のボノプラザンの薬物動態学的パラメータは下図及び表1のとおりである。
2. 反復投与時の薬物動態2)
健康成人男子を対象に10mg又は20mgを1日1回7日間反復投与した時、投与7日目のボノプラザンのAUC(0-tau)及びCmaxは投与量の増加に伴い増加し、これらの増加の程度は投与量比をわずかに上まわる。また、ボノプラザンの血中濃度のトラフ値は、投与3日目から7日目まで一定であり、投与3日目までに定常状態に達していると考えられる