6例)にセチリスタットとして240mgを1日3回、食直前又は食直後に15日間反復投与した時、総脂肪量の累積糞便中排泄量※は食直前投与と比較して食直後投与で約1.7倍の増加を認めた。1)
※ ヒトにおいて、セチリスタット未変化体は血漿中に検出されないことから、糞便中の脂肪排泄量を指標に薬力学的作用を用いて検討した。
(本剤の国内承認用量は1回120mgである。)
表1 二重盲検比較試験
セチリスタット投与群 |
プラセボ投与群 |
体重(主要評価項目) |
対照観察期終了時(kg) |
84.56±16.48 |
85.43±14.61 |
|
治療期終了(52週)時(kg) |
82.24±16.43 |
84.41±14.15 |
|
変化率(%) |
-2.78±3.80 |
-1.10±2.99 |
|
群間差[95%信頼区間](%) |
-1.67
[-2.73,-0.62] |
|
内臓脂肪面積 |
治療期開始4週前(cm2) |
179.75±59.03 |
181.34±63.77 |
|
治療期終了(52週)時(cm2) |
156.61±59.84 |
171.81±64.53 |
|
変化量(cm2) |
-22.12±28.43 |
-9.05±22.34 |
|
群間差[95%信頼区間](%) |
-13.07
[-21.22,-4.93] |
|
HbA1c(JDS値) |
対照観察期終了時(%) |
7.93±1.13 |
7.91±1.15 |
|
治療期終了(52週)時(%) |
7.41±1.14 |
7.77±1.19 |
|
変化量(%) |
-0.53±0.93 |
-0.14±1.02 |
|
群間差[95%信頼区間](%) |
-0.39
[-0.67,-0.10] |
|
LDL-C(直接法) |
対照観察期終了時(mg/dL) |
135.7±31.7 |
131.0±36.1 |
|
治療期終了(52週)時(mg/dL) |
125.3±32.5 |
132.0±37.0 |
|
変化率(%) |
-6.51±19.67 |
3.40±25.49 |
|
群間差[95%信頼区間](%) |
-9.91
[-16.33,-3.50] |
|
平均値±標準偏差
薬効薬理
1.
作用機序
消化管内のリパーゼを阻害することにより、脂質の分解を阻害して腸管からの脂質の吸収を抑制する。
2.
膵リパーゼ阻害作用
ヒト膵リパーゼ及びラット膵リパーゼを阻害する。本作用はエマルジョン状態でブタ膵リパーゼを阻害する。その作用はエマルジョン形成前にセチリスタットをリパーゼの基質となるオリーブ油に溶解した状態の方が強い作用を認めた。9)
3.
脂肪吸収抑制作用
ラットへの脂肪の経口投与による血漿トリグリセリドのAUCの上昇を抑制した。また、マウスへの脂肪の経口投与による血漿トリグリセリドの上昇を抑制した。10)
4.
肥満軽減作用
高脂肪食肥満F344ラットへの高脂肪食混餌投与により、用量に依存した体重低下作用、脂肪重量低下作用を認めた。11)
5.
コレステロール低下作用
高脂肪食肥満マウスにセチリスタットを2週間、高脂肪食に混餌投与した時、抗肥満作用(体重低下)を示すとともに総コレステロール及びLDL-コレステロール濃度の低下作用を認めた。12)
6.
抗糖尿病作用
肥満・糖尿病KKAyマウスにセチリスタットを2週間、高脂肪食に混餌投与した時、抗肥満作用(体重低下)を示すとともにグリコヘモグロビン、血漿グルコース濃度及び総コレステロール濃度の低下作用を認めた。13)
有効成分に関する理化学的知見
化学構造式
一般名
セチリスタット(Cetilistat)〔JAN〕
化学名
2-Hexadec