心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
6.
消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
7.
耐糖能異常のある患者[耐糖能異常が悪化するおそれがある。]1)
8.
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
9.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
10.
他の化学療法、放射線治療を受けている患者[下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
11.
前化学療法を受けていた患者[下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、定期的(特に投与開始から2ヵ月間は1ヵ月に1回以上)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
2.
重篤な腸炎等により脱水症状があらわれた場合には補液等の適切な処置を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。
3.
感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
4.
小児に投与する場合には副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
5.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
6.
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後、本剤の投与を行う場合は少なくとも7日以上の間隔をあけること(「相互作用」の項参照)。
7.
ホリナート・テガフール・ウラシル療法の場合:
(1)
重篤な下痢・腸炎等が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、脱水症状があらわれた場合には補液等の適切な処置を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。
(2)
劇症肝炎、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
(ティーエスワン)
臨床症状・措置方法
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。
機序・危険因子
ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
フェニトイン2)
臨床症状・措置方法
フェニトイン中毒(嘔気・嘔吐、眼振、運動障害等)が発現することがある。必要に応じてフェニトインの血中濃度を測定し、フェニトインの用量調節を行い、注意して投与すること。異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
テガフールによってフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇する。
2. 薬剤名等
ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
テガフールがワルファリンカリウムの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序・危険因子
機序は不明である。
3. 薬剤名等
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤
臨床症状・措置方法
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。
機序・危険因子
本剤との併用により、トリフルリジンのDNA取り込みが増加する可能性がある。チピラシル塩酸塩がチミジンホスホリラーゼを阻害することにより、本剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
4. 薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射
臨床症状・措置方法
血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
副作用が相互に増強される。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時、再審査終了時及びその後の市販後調査(カプセル、細粒、E顆粒)における副作用評価可能症例は29586例であり、副作用発現率は14.8%(4388例)であった。主な副作用は食欲不振3.8%、悪心2.4%、嘔吐1.1%、下痢1.5%等の消化器症状、白血球減少3.1%、血小板減少1.1%、貧血0.8%等の血液障害、肝障害1.8%、色素沈着0.7%等であった。3~8)
<ホリナート・テガフール・ウラシル療法>
[国内臨床試験9)]
本療法の承認時の国内臨床試験における副作用評価可能症例数は44例であり、副作用発現率は95.5%(42/44例)であった。主な副作用は次のとおりであった(副作用の表参照)。
[外国臨床試験9~11)]
本療法の承認時の外国臨床試験(ブリッジング試験)における副作用評価可能症例数は45例であり、副作用発現率は100%(45/45例)であった。主な副作用は、下痢68.9%(31/45例)、倦怠感66.7%(30/45例)、悪心64.4%(29/45例)、嘔吐31.1%(14/45例)、腹痛26.7%(12/45例)であった。このうちグレード3以上の副作用は、下痢22.2%(10/45例)、腹痛6.7%(3/45例)、悪心及び嘔吐4.4%(2/45例)であった。
また、結腸・直腸癌を対象とした2種類の第III相比較試験では、本療法施行例594例中575例(96.8%)に有害事象が認められ、主な有害事象は下痢、悪心・嘔吐、無力症、腹痛等であった。
(効能追加時)
注)グレード分類は、NCI-CTC(1998年)を基準とした。
副作用等発現状況の概要の表
副作用の表