;措置方法
アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が約25%低下したが、LDL-コレステロールの低下率はそれぞれを単独で使用したときより大きかった。
機序・危険因子
機序:これらの薬剤によるアトルバスタチンの吸収阻害(吸着)に基づく血漿中薬物濃度の低下が考えられている。
10. 薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
定常状態において血漿中ジゴキシン濃度が上昇する(アトルバスタチンカルシウム製剤10mg投与でCmax:+9.9%、AUC0-24h:+3.6%、CLr:129→128mL/min、80mg投与でCmax:+20.0%、AUC0-24h:+14.8%、CLr:160→149mL/min)ことが報告されている。併用する場合は、血漿中薬物濃度のモニターを十分に行うこと。
機序・危険因子
機序:本剤によるジゴキシンのP-糖蛋白質を介した排出の抑制が示唆されている。
11. 薬剤名等
経口避妊薬
ノルエチンドロン-エチニルエストラジオール
臨床症状・措置方法
ノルエチンドロン(Cmax:+24%、AUC0-24h:+28%)及びエチニルエストラジオール(Cmax:+30%、AUC0-24h:+19%)の血漿中濃度の上昇が認められた。
機序・危険因子
機序:本剤によるノルエチンドロン及びエチニルエストラジオールの初回通過効果の減少が考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明)
1.
横紋筋融解症、ミオパチー:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK(CPK)の上昇があらわれた場合には投与を中止すること。
2.
劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸:定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
3.
過敏症:血管神経性浮腫、アナフィラキシー反応、蕁麻疹を含む過敏症状があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
4.
無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
5.
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑等の水疱性発疹があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
6.
高血糖、糖尿病:高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、口渇、頻尿、全身けん怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7.
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 皮膚
頻度不明
そう痒感、発疹、皮疹、発赤、皮膚乾燥、皮膚亀裂、脱毛症、光線過敏、爪の障害
2. 血液
頻度不明
貧血、白血球減少、血小板減少
3. 肝臓
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇、肝障害
4. 消化器
頻度不明
アミラーゼ上昇、下痢、軟便、嘔気、悪心、胸やけ、便秘、胃不快感、心窩部痛(心窩部の疼痛)、腹部膨満感、食欲不振、消化不良、嘔吐、胃炎、口内炎、腹痛、口渇、舌のしびれ、口のしびれ、膵炎、胆汁うっ滞性黄疸、舌痛、舌炎、口唇炎、咽頭不快感
5. 呼吸器
頻度不明
咳
6. 筋骨格系
頻度不明
CK(CPK)上昇、筋肉痛、背部痛、頸・肩のこり、こわばり感、痙攣、無力症、関節痛、胸痛、筋炎、血中ミオグロビン上昇、腱炎、腱痛
7. 感覚器
頻度不明
異常感覚、末梢神経障害、耳鳴、霧視
8. 精神神経系
頻度不明
めまい、不眠(症)、四肢しびれ(感)、眠気、勃起障害、健忘症、抑うつ、悪夢
9. 内分泌
頻度不明
テストステロン低下、コリンエステラーゼ上昇、TSH上昇、ACTH上昇、アルドステロン低下、女性化乳房
10. 代謝異常
頻度不明
グルコース上昇、HbA1C上昇、血清鉄低下、低血糖症
11. 腎臓
頻度不明
※K上昇、BUN上昇、血中クレアチニン増加、血尿
12. その他
頻度不明
頭痛、全身けん怠(感)、浮腫(顔面・四肢等)、脳梗塞、肺炎、帯状疱疹、動悸、味覚異常、着色尿、熱感、頻脈、頻尿、排尿困難、発熱
高齢者への投与
高齢者では、副作用が発現した場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[一般に高齢者では、生理機能が低下しており、本剤のCmax、AUC0-∞は高齢者で増加することがある。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[動物実験で出生児数の減少及び生存、発育に対する影響が認められ、胎児にも生存率低下と発育抑制が認められている。また、ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。]
2.
授乳婦:授乳婦には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
適用上の注意
1.
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出し