真菌薬(イトラコナゾール等)、エリスロマイシンを投与中の患者[一般にHMG-CoA還元酵素阻害剤との相互作用により横紋筋融解症があらわれやすい。(「相互作用」の項参照)]
4.
糖尿病の患者[糖尿病を悪化させることがある。]
5.
甲状腺機能低下症の患者、遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性の筋障害の既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
6.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧、喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
2.
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
3.
劇症肝炎等の肝炎があらわれることがあるので、悪心・嘔吐、けん怠感等の症状があらわれた場合には本剤を中止し、医師等に連絡するよう患者に指導すること。
投与中は投与開始又は増量時より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと。
相互作用
相互作用の概略
本剤は、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
テラプレビル
テラビック
臨床症状・措置方法
アトルバスタチンのAUCが7.9倍に上昇したとの報告がある。
本剤の血中濃度が上昇し、重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(横紋筋融解症を含むミオパチー等)が起こるおそれがある。
機序・危険因子
機序:テラプレビルによるCYP3A4の阻害が考えられている。
原則併用禁忌
(原則として併用しないこと)
1.
薬剤名等
フィブラート系薬剤
ベザフィブラート
等
臨床症状・措置方法
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)の上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
機序・危険因子
機序:フィブラート系薬剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では原則として併用しないこととするが、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に併用すること。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
フィブラート系薬剤
ベザフィブラート
等
ニコチン酸製剤
ニセリトロール
等
臨床症状・措置方法
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。
機序・危険因子
機序:フィブラート系薬剤又はニコチン酸製剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用が示唆されている。
危険因子:腎機能障害
2. 薬剤名等
免疫抑制剤
シクロスポリン
等
臨床症状・措置方法
1)筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。
2)シクロスポリンとの併用により、アトルバスタチンカルシウム製剤のAUC0-24hが8.7倍に上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
機序:1)シクロスポリンとHMG-CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用、2)シクロスポリンによるHMG-CoA還元酵素阻害剤の代謝・胆汁中排泄に対する競合阻害に基づく相互作用、3)シクロスポリンによる本剤の肝への取り込み阻害に基づく相互作用が示唆されている。
危険因子:腎機能障害
3. 薬剤名等
アゾール系抗真菌薬
イトラコナゾール
等
エリスロマイシン
臨床症状・措置方法
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。
機序・危険因子
機序:アゾール系抗真菌薬又はエリスロマイシンによるHMG-CoA還元酵素阻害剤の代謝阻害が示唆されている。
危険因子:腎機能障害
4. 薬剤名等
クラリスロマイシン
臨床症状・措置方法
アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度の有意な上昇(Cmax:+55.9%、AUC0-Tlast:+81.8%)がみられた。
機序・危険因子
機序:クラリスロマイシンによるHMG-CoA還元酵素阻害剤の代謝阻害が示唆されている。
5. 薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
メシル酸ネルフィナビル
等
臨床症状・措置方法
メシル酸ネルフィナビルとの併用によりアトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが約1.7倍に上昇するとの報告がある。
機序・危険因子
機序:これらの薬剤によるCYP3A4の阻害が考えられている。
6. 薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
グレープフルーツジュース1.2L/日との併用により、アトルバスタチンカルシウム製剤のAUC0-72hが約2.5倍に上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
機序:グレープフルーツジュースによるCYP3A4の阻害が考えられている。
7. 薬剤名等
エファビレンツ
臨床症状・措置方法
アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が低下した(Cmax:-12%、AUC0 - 24h:-43%)との報告がある。
機序・危険因子
機序:エファビレンツによるCYP3A4の誘導が考えられている。
8. 薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
リファンピシン投与17時間後にアトルバスタチンカルシウム製剤を投与したところアトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が低下した(Cmax:-40%、AUC:-80%)との報告がある。
機序・危険因子
機序:リファンピシンによるCYP3A4の誘導が考えられている。
9. 薬剤名等
陰イオン交換樹脂
臨床症状・