れら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
6. 薬剤名等
エルトロンボパグ オラミン
臨床症状・措置方法
これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
7. 薬剤名等
経口アルミニウム製剤注2)
水酸化アルミニウムゲル
合成ケイ酸アルミニウム
臨床症状・措置方法
他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニウム濃度が上昇したとの報告があるので,同時に服用させないなど注意すること。
機序・危険因子
クエン酸との併用により,吸収が促進されるとの報告がある。
注2)透析療法を受けている患者へは投与禁忌である。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内における本剤の主要な臨床試験において,801例中204例(25.5%)に副作用が認められた。主な副作用は,下痢,便秘,腹部不快感,血清フェリチン増加であった。(承認時)
その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。
胃腸障害
2%以上
下痢(10.1%),便秘(3.2%),腹部不快感(2.5%)
胃腸障害
2%未満
腹部膨満,腹痛,十二指腸潰瘍,排便回数増加,胃腸障害,悪心,嘔吐,便通不規則
臨床検査
2%以上
血清フェリチン増加(2.7%)
臨床検査
2%未満
血中アルミニウム増加,γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,ヘマトクリット増加,ヘモグロビン増加
その他
2%未満
赤血球増加症,肝機能異常,食欲減退,そう痒症,高血圧
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人,産婦及び授乳婦には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[これら患者への投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
1.
本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
2.
腹部のX線又はMRI検査で,本剤が存在する胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性がある。
3.
イヌを用いた長期反復投与毒性試験において,最大臨床用量の鉄として約5倍に相当する用量より,鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢性炎症巣,細胆管の増生及び肝実質の線維化)が認められた。これらの変化は休薬による回復性はなく,休薬期間中に病態の進行が認められた。
薬物動態
クエン酸第二鉄水和物に含まれる3価鉄は大部分が吸収されずに便中に排泄される。3価鉄は腸上皮細胞の還元酵素により一部が2価鉄に還元され吸収される8)。
なお,主な臨床試験において,本剤投与後に血清鉄濃度の上昇が認められている。
臨床成績
1. 血液透析患者
(1) 比較試験9)
高リン血症を呈する血液透析中の慢性腎臓病患者225例(本剤115例,セベラマー塩酸塩110例)を対象とした比較試験において,本剤の投与を1日1,500mgから開始し,1日6,000mgまでの範囲で適宜増減し12週間投与した。その結果,血清リン濃度(平均値±標準偏差)は,投与開始時の7.84±1.19mg/dLに対して,投与終了時では5.31±1.23mg/dLと低下が認められた(図1)。
また,血清フェリチン(平均値±標準偏差)は,投与開始時の76.79±72.42ng/mLに対して,投与終了時では147.62±104.68ng/mLであった。

(2) 長期投与試験10)
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者180例を対象とし,本剤の投与を1日1,500mgから開始し,1日6,000mgまでの範囲で適宜増減し52週間投与した。その結果,血清リン濃度は,投与開始時5.53±1.24mg/dLに対して,投与終了時では5.42±1.32mg/dLと低下が維持された。
また,血清フェリチンは,投与開始時85.65±81.01ng/mL,28週時239.30±162.78ng/mL及び投与終了時246.71±169.30ng/mLであった。
2. 腹膜透析患者11)
高リン血症を呈する腹膜透析施行中の慢性腎臓病患者56例を対象として本剤の投与を1日1,500mgから開始し,1日6,000mgまで適宜増減し12週間投与した。その結果,血清リン濃度は,投与開始時6.75±1.09mg/dLに対して,投与終了時では4.49±0.94mg/dLと低下が認められた。
このうち19例を対象に,本剤を最長52週間継続投与した結果,投与終了時の血清リン濃度は,5.18±0.95mg/dLと低下が維持された。
また,継続投与例における血清フェリチンは,投与開始時138.64±81.60ng/mL,28週時472.28±161.79ng/mL及び投与終了時488.74±152.05ng/mLであった。
3. 保存期慢性腎臓病患者12),13)
高リン血症を呈する透析導入前の保存期慢性腎臓病患者86例(本剤57例,プラセボ29例)を対象とし,本剤の投与を1日1,500mgから開始して1日6,000mgまでの範囲で適宜増減し,プラセボを対照に12週間投与した。その結果,血清リン濃度は,投与開始時5.66±0.75mg/dLに対して,投与終了時では4.37±1.27mg/dLと低下が認められた(図2)。

本剤投与群のうち18例を対象に,本剤を最長52週間継続投与した結果,投与終了時の血清リン濃度は,4.63±1.06mg/dLと低下が維持された。
また,継続投与試験における血清フェリチンは,投与開始時72.33±61.86ng/mL,28週時334.00±172.46ng/mL及び投与終了時373.39±166.04ng/mLであった。
薬