200mg1日3回)を反復経口投与した時、プレガバリンはバルプロ酸の血漿中濃度(トラフ値)に影響を及ぼさず、またバルプロ酸もプレガバリンの薬物動態に影響を与えなかった。
(6) ラモトリギン16)
ラモトリギンを単剤で維持投与されている成人てんかん患者12例を対象にプレガバリン(1回200mg1日3回)を反復経口投与した時、プレガバリンはラモトリギンの血漿中濃度(トラフ値)に影響を及ぼさず、またラモトリギンもプレガバリンの薬物動態に影響を与えなかった。
7. 高齢者17)
年齢が67~78歳の日本人健康高齢者6例にプレガバリン100mgを単回経口投与した時、Tmaxは1.4時間、T1/2は6.32時間であった。AUC0-∞及びT1/2は、健康非高齢者にプレガバリン100mgを単回経口投与した時と比較してわずかに増大及び延長する傾向が確認された。
(表3参照)
8. 腎機能障害患者
(1) 外国人データ18)
腎機能の異なる被験者26例を対象に、プレガバリン50mgを単回経口投与した時、腎機能の低下に従ってT1/2が延長し、AUC0-∞が増加した。CL/F及び腎クリアランス(CLr)はクレアチニンクリアランスに比例した。
(表4参照)
(2) 日本人データ(母集団薬物動態解析)19)
838例の被験者(日本人474例を含む:健康被験者70例、帯状疱疹後神経痛患者26例、糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛を有する患者154例及び線維筋痛症患者224例)を対象として母集団薬物動態解析を実施した結果、一次吸収を含む1-コンパートメントモデルが構築され、共変量としてCL/Fに対してクレアチニンクリアランス(CLcr)及び理想体重、Vd/Fに対してBMI、理想体重、性別及び年齢が同定されたが、プレガバリンの薬物動態に影響を与える因子としてはCL/Fに対するCLcrが重要であると考えられた。腎機能障害患者において、CLcrの低下により、プレガバリンのCL/Fは低下するため、CLcr値を参考とした用法・用量の調節が必要である。
また、日本人の糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛患者において、CLcrが30mL/min以上60mL/min未満に低下している患者にプレガバリン150mgを1日2回反復経口投与(300mg/日)したときの定常状態におけるAUC0-12(AUC0-12,SS)のモデルによる推定値は、CLcrが60mL/min以上の患者にプレガバリン300mgを1日2回反復経口投与(600mg/日)したときと同じであった。CLcrが30mL/min以上60mL/min未満の患者におけるプレガバリンのクリアランスは、CLcrが60mL/min以上の患者の約半分であった。
(表5参照)
9. 血液透析患者(外国人データ)18)
血液透析を受けている被験者12例にプレガバリン50mgを単回経口投与した時、4時間の血液透析により血漿中プレガバリン濃度は約50%まで減少した。その時の透析クリアランスは192mL/minであった。
10. **授乳婦(外国人データ)2)
産後12週間以上の授乳婦(10例)に、プレガバリン150mgを12時間ごとに投与(300mg/日)した時、プレガバリンは母乳に移行し、母乳中の定常状態における平均濃度は、母体血漿中の約76%であった。乳児の平均母乳摂取量を150mL/kg/日と仮定すると、プレガバリンの乳児への1日あたりの平均曝露量は0.31mg/kg/日(体重換算すると母体投与量の約7%)と推定される。
表1
投与量
(mg) |
Cmax
(μg/mL) |
Tmax
(h) |
AUC0-∞
(μg・h/mL) |
T1/2
(h) |
CL/F
(L/h) |
Vd/F
(L) |
Ae
(%) |
50 |
2.03
(0.40) |
0.67
(0.26)
|
10.7
(1.1) |
5.98
(0.65) |
4.72
(0.44) |
40.6
(4.9) |
83.9
(5.4) |
100 |
3.56
(0.67) |
0.75
(0.27) |
20.4
(1.3) |
5.66
(0.59) |
4.93
(0.35) |
40.3
(6.4) |
95.0
(2.7) |
200 |
6.35
(0.73) |
1.00
(0.32) |
43.2
(3.0) |
5.93
(0.32) |
4.64
(0.32) |
39.7
(2.7) |
91.8
(2.6) |
250 |
7.18
(1.43) |
1.17
(0.52) |
49.2
(6.1) |
5.57
(0.72) |
5.15
(0.61) |
41.0
(3.8) |
95.6
(4.4) |
300 |
8.25
(1.36) |
1.08
(0.38) |
61.7
(6.3 |