ヌードマウスにおいて、本剤は腫瘍増殖抑制効果を示した。また、ヒト結腸・直腸癌由来KM20C細胞株を腹腔内移植したヌードマウスにおいて、本剤は延命効果を示した。
2. 作用機序6~8)
ヒト腫瘍由来細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、DNAに取り込まれたFTDの量と腫瘍増殖抑制効果が相関したことから、本剤の腫瘍増殖抑制効果はFTDに基づき、また、DNAにFTDが取り込まれることによって腫瘍増殖抑制効果が発揮されると推測される。
また、サルにFTDを単独で経口投与した場合、血中にFTDはほとんど認められないが、FTDの分解酵素であるTPaseを阻害するTPIを併用することによりFTDの血中濃度が維持された。
有効成分に関する理化学的知見
トリフルリジン
構造式
一般名
トリフルリジン(Trifluridine)
化学名
2'-Deoxy-5-(trifluoromethyl)uridine
分子式
C10H11F3N2O5
分子量
296.20
融点
約182℃(分解)
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノールに溶けやすく、水及びエタノール(99.5)にやや溶けやすい。
チピラシル塩酸塩
構造式
一般名
チピラシル塩酸塩(Tipiracil Hydrochloride)
化学名
5-Chloro-6-[(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl]pyrimidine-2,4 (1H,3H)-dione monohydrochloride
分子式
C9H11ClN4O2・HCl
分子量
279.12
融点
約241℃(分解)
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水にやや溶けやすく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
承認条件
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する本剤の有効性及び安全性の検証を目的として実施中の第III相試験について、その評価を行うために当該試験終了後速やかにその結果を提出すること。
包装
ロンサーフ配合錠T15
PTP包装:20錠(10錠×2)、60錠(10錠×2×3)
ロンサーフ配合錠T20
PTP包装:20錠(10錠×2)、60錠(10錠×2×3)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Doi, T. et al.:Br. J. Cancer,107, 429(2012)
2)
TAS-102の食事の影響に関する臨床薬理試験,社内資料,研究報告書No.447(2013)
3)
Yoshino, T. et al.:Lancet Oncol.,13, 993(2012)
4)
ヒト大腸癌由来株COL-1及びHCT-116のヌードマウス皮下移植モデルに対するTAS-102の抗腫瘍効果「11TA01試験」,社内資料,研究報告書No.423(2012)
5)
ヒト大腸癌由来株KM20Cのヌードマウス腹腔内移植モデルにおけるTAS-102の延命効果「11TA05試験」,社内資料,研究報告書No.424(2012)
6)
Emura, T. et al.:Int. J. Mol. Med.,13, 249(2004)
7)
Fukushima, M. et al.:Biochem. Pharmacol.,59, 1227(2000)
8)
Emura, T. et al.:Int. J. Oncol.,27, 449(2005)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大鵬薬品工業株式会社
メディカルアフェアーズ本部 MA部 医薬品情報課
〒101-8444 東京都千代田区神田錦町1-27
TEL 0120-20-4527
FAX 03-3293-2451
長期投与医薬品に関する情報
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2015年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
大鵬薬品工業株式会社
東京都千代田区神田錦町1-27