投与すること)
1.
重度の腎機能障害患者[使用経験がない。]
2.
中等度以上の肝機能障害のある患者[臨床試験において、中等度の肝機能障害を有する患者に対する最大耐用量が200mgであることが確認されている。](「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意」「薬物動態」「臨床成績」の項参照)
3.
高血圧の患者[高血圧や心機能障害が悪化するおそれがある。](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
4.
心機能障害のリスク因子を有する患者(特に、アントラサイクリン系薬剤等の心毒性を有する薬剤、及び放射線治療による治療歴のある患者)[症状が悪化するおそれがある。](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
5.
QT間隔延長の既往のある患者、抗不整脈薬や他のQT間隔を延長させる可能性のある薬剤を投与中の患者[QT間隔延長や心室性不整脈をおこすおそれがある。](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
6.
血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[本剤投与により血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。](「重大な副作用」の項参照)
7.
脳転移を有する患者[臨床試験において、転移部位からの出血が報告されている。](「重大な副作用」の項参照)
8.
肺転移を有する患者[気胸が悪化又は発現するおそれがある。また、臨床試験において、転移部位からの出血が報告されている。](「重大な副作用」の項参照)
9.
外科的処置後、創傷が治癒していない患者[創傷治癒遅延があらわれることがある。](「重大な副作用」の項参照)
重要な基本的注意
1.
AST、ALT及びビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害が発現し、肝不全により死亡に至った例も報告されているので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。(「警告」「重大な副作用」の項参照)
2.
高血圧があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧測定を行い、必要に応じて降圧剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。管理できない重症の高血圧が認められた場合は、休薬すること。(「重大な副作用」の項参照)
3.
心機能不全が発現することから、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に心エコー等の心機能検査を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
4.
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質測定を行い、必要に応じて、電解質(カルシウム、マグネシウム、カリウム)を補正するとともに、QT間隔延長等の不整脈が認められた場合には、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
5.
創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。(「重大な副作用」の項参照)
6.
甲状腺機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能の検査を実施すること。本剤投与中に甲状腺機能障害が認められた場合は、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
7.
ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察し、異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
8.
毛髪変色又は皮膚の色素脱失があらわれることがあるので、本剤を投与する場合にはその内容を適切に患者に説明すること。また、剥脱性皮膚炎、手足症候群等の皮膚障害があらわれることがあるので、十分に観察を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。必要に応じて患者に皮膚科受診等を指導すること。
相互作用
In vitro試験で、本剤の代謝には主にチトクロームP450(CYP)3A4が、一部CYP1A2及び2C8が関与することから、CYP3A4阻害剤及び誘導剤は本剤の薬物動態に影響を及ぼす可能性がある。また、本剤はCYP(2B6、2C8、2E1及び3A4)、UGT1A1及びOATP1B1を阻害し、P-糖蛋白質(Pgp)及びBCRPの基質であった。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
**プロトンポンプ阻害剤(エソメプラゾール等)
臨床症状・措置方法
エソメプラゾールとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ約40%及び42%低下したとの報告があるので、プロトンポンプ阻害剤との併用は可能な限り避けること。
機序・危険因子
プロトンポンプ阻害剤が胃内の酸分泌を抑制することで、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。
2. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤(ケトコナゾール等)
臨床症状・措置方法
ケトコナゾールとの併用により、本剤のAUC及びCmaxは、それぞれ約66%及び45%増加した。
CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用が避けられない場合には、副作用の発現・増強に注意し、減量等を考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
3. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤(グレープフルーツ(ジュース))
臨床症状・措置方法
本剤投与時はグレープフルーツ(ジュース)を摂取しないよう注意すること。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
4. 薬剤名等
CYP3A4誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン等)
臨床症状・措置方法
カルバマゼピン、フェニトイン等との併用により、本剤のAUC及びCmaxは、それぞれ約54%及び35%低下した。
CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用に際しては、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3A4活性を誘導することにより、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
5. 薬剤名等
パクリタキセル
臨床症状・措置方法
本剤は血漿中パクリタキセルのAUC及びC