を1日1回14日間経口投与したとき、血清中エルデカルシトール濃度は投与後6.0±2.8hにCmax243.5±28.2pg/mLに達した後、t1/248.7±4.9hで消失した。AUC24hは4,964±597pg・h/mLであった(Mean±SD,n=10)2)。
また、健康成人男性にエルデカルシトールとして0.1~1.0μgを1日1回15日間経口投与注4)したとき、血清中エルデカルシトール濃度は、いずれの投与量においても投与13日後には定常状態に達していた。定常状態における薬物動態パラメータは、Cmax、Cmin、AUC24hともに投与量に比例して増加し、t1/2は投与量によらず一定であり、エルデカルシトールの薬物動態は0.1~1.0μgの投与量の範囲内で線形であった3)。
反復投与により薬物動態パラメータに変化は認められなかった。
3) 食事の影響1)
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、薬物動態に食事の影響は認められなかった。
(表1)
(2) 原発性骨粗鬆症患者4)
原発性骨粗鬆症患者にエルデカルシトールとして0.5、0.75、1.0μgを1日1回48週間経口投与後注4)の定常状態における血清中エルデカルシトール濃度は、投与量の増加に伴い比例的に増加した。
(表2)
2. 分布
健康成人男性、閉経後女性及び原発性骨粗鬆症患者の計882例において母集団薬物動態解析を実施した。見かけの分布容積は10.5Lであった5)。なお、ヒト血清に1~100ng/mLの濃度範囲でエルデカルシトールを添加したときの蛋白結合率は94.2~96.2%であり濃度によらず一定であった。また、蛋白結合率に性差は認められなかった(in vitro)6)。
3. 代謝・排泄
ラット、イヌ、サル及びヒトの肝ミクロソームを用いた試験におけるエルデカルシトールの主代謝物は2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び3-hydroxypropyloxy基のアルコールの酸化体であり、種差は認められなかった(in vitro)7)。エルデカルシトールはヒト肝臓のCYPでは代謝されなかった(in vitro)8)。エルデカルシトールによる臨床上薬物相互作用を惹起するCYPの誘導及び阻害は認められなかった(in vitro)9,10)。
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、エルデカルシトール及びその代謝物の尿中への排泄は認められなかった2)。
(参考)エルデカルシトールをラットに投与したとき、血漿中には主に未変化体が認められ、2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び24位の水酸化体も認められた11)。雄性ラットに3Hで標識したエルデカルシトールを単回経口投与したとき、投与7日後までに投与放射能の2.63%が尿中に、55.89%が糞中に排泄された12)。
4. 肝機能障害患者における薬物動態13)
肝機能障害患者10例(Child-Pugh分類 ClassA:8例、ClassB:2例)にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。
(表3)
5. 腎機能及びその他の因子が薬物動態に及ぼす影響
臨床試験から得られたクレアチニンクリアランス(CLcr)14)、年齢14)及び性別3,15,16)ごとの血清中エルデカルシトールトラフ濃度を以下に示す。
「2.分布」に示した母集団薬物動態解析5)の結果、CLcr、体重、年齢及び性別は見かけの全身クリアランスに影響を与える因子ではなかった。
(表4)
6. 薬物相互作用2)
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μg又はプラセボを1日1回14日間経口投与したとき、CYP3A4の基質であるシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態パラメータの幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)及び90%信頼区間は、以下のとおりであった。
(表5)
注4)承認された用法・用量は、「通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。」である。
薬物動態の表
表1 食事の有無における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
Cmax
(pg/mL) AUClast
(pg・h/mL)
空腹時投与※ 100.42±11.02 4,094±445
食後投与※※ 95.37±8.89 3,879±577
(Mean±SD,n=15)
※:10時間以上絶食後投与、※※:食事摂取30分後投与
表2 定常状態時の血清中エルデカルシトール濃度
投与群 12週後 24週後 48週後 合計※
0.5μg 238.1±80.9
(n=49) 249.7±64.4
(n=48) 246.0±136.3
(n=44) 244.5±96.8
(N=141)
0.75μg 339.7±108.8
(n=54) 351.5±95.3
(n=52) 306.2±150.1
(n=47) 333.4±119.8
(N=153)
1.0μg 514.3±674.5
(n=53) 469.9±135.2
(n=51) 401.3±140.2
(n=45) 465.0±417.1
(N=149)
(Mean±SD)
血清中エルデカルシトール濃度の単位:pg/mL
n:例数、N:集計に用いた測定ポイント数
※:投与12週後、24週後、48週後の集計
表3 肝機能障害患者と健康成人男性における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
Cmax
(pg/mL) AUClast
(pg・h/mL)
肝機能障害患者
(Child-Pugh分類 ClassA) 99.7±19.1 3,622&